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渡邉帆南美「京都から沼津へ、沼津から京都へ(7日目)」

最終日は、帯笑園に行きました。ボランティアのガイドさんにお庭をご案内いただきながら、一つ一つの歴史について解説していただきました。また、今回この地は、先日意見交換会にいらしていた井口無線様がのちにご連絡をくださったようで、ご紹介していただいた場所です。今回も充実した一日となりました、ご紹介いただき、ありがとうございました。

原駅で名所の名前を確認。


植松家の先祖は天正十二年以来、珍しい花など植物を収集し、やがて花長者と言われる様になり、江戸時代に下る参勤交代の大名などが立ち寄り、文化文芸の交流の場として、大変栄えた場所だそうです。


通常、松の葉は二本であることが多く、こちらは三本で珍しく、財布などに忍ばせて、ぜひお持ちください。きっと何かいいことがありますよ。
と、いただいた。


夏場はあまり咲きませんが、時期によって様々な表情を見せる庭だそうです。
昔はかなり広い敷地だったそうですが、
税の問題で維持が難しく、土地を売ることで、規模が縮小されましたが
地元が買い上げることで保存がギリギリされることになった状態だそうでした。
元々の庭はどんなに美しかったのだろうと思うと、見てみたかったと思いました。


婦人科系によく効く植物だそう。


歴史上の偉人がこぞって訪れていたという記録があります。
オランダ商館医として赴任する目的で訪れたシーボルトが「日本で最も美しく、豊かであった」と文章を残しているとのことです。

こちらには、白隠に師事した斯経禅師を通じて、円山応挙、伊藤若冲など京都で聞かない者はいないような絵師がこぞって、こちらを訪ねていたということです。
それほどに庭が美しく、絵師の感性に影響をした場所でした。


こちらが門のところに貼られており、文人は歌などを必ず残していく様にと書かれています。ただ訪れるのではなく、何か一つ自分の得意なことを残していってくださいそういう事があり、絵師による石に彫られた虎の絵や、墨絵など、多くの作品がここで残されていくことになります。この決して、お客さんともてなす方という関係性ではない平等な関係性を築いていくというスタイルは非常に面白いと感じました。

次にガイドさんに松陰寺をお勧めされ、近道を案内していただき、さくっとアクセスすることができました。


ガイドさんが案内してくださった白隠の投げたすり鉢がてっぺんにある松を探します。見つける事ができました。


どのお寺かは伏せますが、そこへ行き境内を覗くと、関係者の方らしき人が作業をされていました。
「こんにちは」と声をかけると
「はい?」という一言をいただき、何となく沈黙が流れました。
それが何故かはわかりませんが、
私の捉え間違いもあるのでしょう、何だか微妙な空気をその時は感じてしまい、
「・・・。」特に何も話さず頭を下げてそのままそこを立ち去りました。

誤解を受ける可能性があるので、書いておきますが、その対応に不満があったということではありません。外で少し脇のベンチで涼みながら、また、次のお寺に向かう道中でなど、改めてこの微妙な空気を感じたのは何故かと考え、ちょっと面白い経験かもしれないなと思いました。
それは、どこか自分にお客さん根性が根付いてる部分はないのか。という部分です。こういう旅をするということは、受け入れ先にもてなされたいという考えが何処かにあると、現地の人と平等性ははかれません。
私は「可能性を探究する」ということをテーマに作品作りをしていて、
視点を変えると世界が変わることに何度も触れてきました。
今回の視点の切り替わりは、私にとっては非常に重要な発想の転換となりました。



今回の旅を通して、していただいたことばかりでした。時たま、私が思いついた何になるかわからない様な発想を住民の方とは共有することもしてきましたが、改めて、いただいたものをもとに、何かをお返しできないかという考えるようになりました。

そして、帯笑園のように、この土地の特徴は、何か一つを施し、何か一つを置いていく、物々交換の中で、平等な関係性を構築できる場所のような気がしました。
私は、京都から来ていることもあり、井口無線様には、京都にゆかりのある土地としてご紹介いただいたのかもしれないと思いました。

ここには、こんなに深いご縁を結んだ土地がある。
その文化の文脈の中で、自分もまた何かのご縁でこの地に訪れ、そうして、全体の旅を通して、自分でも関係性を作る努力をしてきましたが、そのことで得られた事がたくさんあり、かなりの学びを得た様に思います。

暑いのもあり、歴史探索を終了し、沼津へ戻り、最後にもう一度街を歩いてみることにしました。とにかく美味しいものも食べたいと思い、
検索して出てきた景色の良さそうなお店に向かいます。


とても量が多くて美味しいお店でした。
沼津は全体的に量が多いお店が多いような気もしました。


何だか歴史を感じる蔵の様なものを見つけて写真を。


何だこれは!?

そういえば沼津港でもポスターで見かけていました。調べると沼津のご当地キャラの様な感じらしく、このサブカル特撮怪獣のレトロな感じ、しかも
消しゴムって、昔、流行ったと言われるやつだ。
特撮怪獣、妖怪、サブカル、ムー。色んなイメージを思い起こしながら、

一気に心を掴まれました。


レトロな造形にやられ、一度通り過ぎたのですが、その後も
異常に何か欲しいという気持ちが湧き上がってしまい道を引き返して購入。
とても細部まで造形されていて、素晴らしい仕上がりでした。
ちなみに貯金箱は一つ一つ職人が作る美濃焼きだそうです。ハンギョドンかと思いました。笑





この男性、異様に負荷かかってない?と思ったり。


懐かしすぎるというかかなり時代を感じる。


実は面白そうだからという理由で、出発をギリギリまで伸ばしておりました。
最後に選んだ夕飯は、釜飯の美味しかった、とりうで。
すっかりお気に入り。リピーターです。

今回は、どこかで絶対いただきたいと考えていた鰻を食べました。
とても柔らかく美味しい鰻でした。
前回同様、お腹がいっぱいになりました。



その様な流れで、
あっという間に一週間は終わり、無事京都へ戻る事ができました。
京都に帰っても、どうにか崩さずこのままのテンションを持ち帰り、
同じような気持ちで色んな場所を訪れ、
色々な活動に活かしていきたいと考えています。

また、京都の私が、人のご縁を繋いで、沼津に来たように、過去に京都の芸術家たちも、人のご縁を繋いで、たくさん沼津を訪れたこと、そして、作品を残すことで宿泊をしたりしていたこと。とても良い関係を築いていたことを知る事ができました。私もそれを引き継げるような方法はないかと思います。

夢のようなまたいつかではなく、現実的な課題として、
この地に再び関わり、何かコトを動かしていくことはできないだろうかと
そんな事を考えさせてくれる最高の旅でした。

この旅で、一週間、関わってくださったすべての皆様に感謝をいたします。
本当にありがとうございました。

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