渡邉帆南美「滞在まとめ_沼津市白銀町_Artspace入サ岩﨑商店」
1. はじめに
〜今回の滞在の目的と期待する成果について〜
「可能性を探究する」をテーマとしているため、私にできる固定概念を覆す作品であったり、思考であったりが、地元の方に良い影響となり、変化を生み出すきっかけになるような、相互関係を構築するための、ひとまずのきっかけを作りたいと考えました。
〜滞在先での活動概要〜
とにかく人と文化を知らないと、どうにもならないので、文化施設、歴史的な場所はなるべく足を運び、アートに近いところにいる方や、出会った人と交流する中で、その方々の本質を表現された場所へのご縁を繋いでいきたいという事があり、観光ガイドを重視せず、現地の人から聞いた場所や偶然目にした場所を主要に、なるべく活動をすることにしました。
〜地域との関わり方〜
地域住民、アート関係者に自らアプローチして関係し、話をする中で、自然と聞こえてくる悩み事や地域の問題点を拾える様に注意しました。
2. 創造力を地域に開く
〜地元住民とのコラボレーション〜
今回のMAWのご縁から、畳店との商品開発を計画中。畳店の社長様とお話しをする中で、畳の問題の一つに、あまりお客さんに縁の柄の斬新性は求めてもらえないという問題があると伺っていたので、もし話が進むとすれば、少し興味を持ってもらえる方に、可能性を広げる事を試行錯誤することに挑戦ができるかもしれません。
〜創造的プロセスを通じて地域の可能性を引き出す取り組み〜
物語を知ってもらうことから、始め、体験へと結びつける。
これは、和紙工房や、美術館の副館長とお話をしたことで考えている構想です。
このことについて、自身の展示イベントなどを経て、技術を高めていきたいと思います。
〜ワークショップや公開制作の反応と成果〜
美術館や、工房など、どこもお客さんをいかに集めるか、良さを知ってもらえるかという課題に頭を抱えていると教えてくださいました。そのためには、ワークショップなど、作品や商品を体験してもらう場があると効果的ではないかと思えます。
私はちょうど地域のイベントを運営していくための準備中なので、それらが軌道に乗る事があれば、もしかしたら打開策のようなものも出てくるかもしれないので、今後、コラボレーションなどを検討できるような実力のある事業へ成長させ、こちらからもお声をかけて、いずれ関われる様にしていければ理想的だと思いました。
私もわからない中、スタートしなくちゃいけないし、成長しなくてはいけない。
もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ご一緒に何かを考えませんか。
3. 地域の魅力と課題の発見
〜滞在中に見つけた地域の独自の魅力〜
美術館副館長さんとご一緒して巡ったことで、聞くまで普通に見えていた道や景観に歴史が深いことに改めて気づきました。とても魅力的なものが眠っているのかもしれないという意識が芽生えました。しかし、ただ歩いているだけでは、東海道五十三次の道でさえ、見過ごしてしまうような、埋もれている部分があったのかもしれません。また意見交換会の際に住民の方から「本当は、ここには何もない」という意見もありました。
人がいるところに歴史は当然あるのだけれど、もう少し、まず地元の方々でも、かなり認識できるくらい、どのような歴史の面白さがあるのか、また未来へ次に続けることができる可能性があるのかを、知ってもらえる事に注力することで、更なる価値が生まれるかもしれません。また、明治資料館付近の古墳にも道路工事を中断するほどなので、かなりの可能性が眠っている様です。
〜地域社会が抱える課題の観察と考察〜
住民の方と対話して気づいたのは、やはり、アートをどう扱っていいかわからないという事でした。MAWの意見交換会に参加した方から、意見交換会の後に「それで、どういう風にアートを身近に感じてもらえればいいんですかね?」という切実な疑問を投げかけてくださった方がいました。市外演劇のように、ぶつける方法についてお話したら納得をしてくださったのですが、もしも可能であるならば、私も市街を利用した展示イベントなどを運営する計画をしているので、その計画を通して、色んな観点から何かお手伝いができればと思います。
もう一つ、イベントをしても人が来ない問題。
美術館副館長さんから、沼津の習慣上、確か水曜日でありましたが、どんなに頑張っても人が動かない曜日があると伺いました。そういう文化的なことも乗り越えるくらい人を惹きつける様なイベントは何かを考えます。私の発想などは何の役にも立たないかもしれませんが、逆にこうすればと思う発想もあったので、それは美術館のかたと共有いたしました。
あとは参加型のアートのあり方の問題。これらは、美術館ですら、かなり財政的に危機感をお持ちでどういう風に運営すればいいのかというお悩みをお持ちだったので、非常に難易度が高いのかもしれません。ちょうど美術館の話を聞いた後で、自身の現在計画中のアートイベントのスタッフから、国からお金をいただいて運営する旨の計画の電話があり、ちょうどお金についての話を聞いた時に、財源についての話があったので、イベントと結びつけることへの可能性を感じました。
〜アートを通じてこれらの魅力や課題にアプローチする方法〜
私の大事にしていることの一つに
「目に見えないものの可能性を表現する」というものがあります。
地域にある歴史やストーリーを見えにくいものだとしたら、魅力がかなりあるので、そういったことを表現する作品展開が可能かもしれません。
修善寺和紙についても、かなり何か素材としての面白みもあるので、
それを組み込んで新たな表現ができるかもしれないと考えております。
4. 気づきの共有
〜滞在を通じて得た新たな視点や学び〜
どのような場所にも歴史があることを知りました。また、人との結びつきの連鎖が明らかに別の世界へ繋げてくれること。人を大事にしつつ、次のご縁へと活かしていくこと。深く交流のできた方々には、大体現在抱えている悩み事などを雑談の中で、教えていただいたりしたので、ヒントの共有をいたしました。
5. 今後の展望
〜滞在経験を今後の活動にどう生かすか〜
ここで終わりにせず、また何かを行うために次に繋げる方法を考えて実行することです。地域との関わりを今後も継続していければ幸いです。
〜滞在を振り返っての感想と今後の期待〜
一人ではかなり出会えない様な貴重な経験を重ねた一週間でした。
本当に全ての方に感謝をしています。今後は具体的に自分にできることをお返ししていきたいと考えているので、これを読んでくださった方や、関わってくださった方と何かができればと思います。
また、お仕事やアートイベントのお話しなど、何かございましたら、お気軽にご相談ください。ご連絡お待ちしております。
下記のサイトからお問い合わせください。
そして、私もnoteを書いておりますので、フォローをして、
今回の旅の後に、引き続き続いていく活動を見守っていただけると幸いです。
最後になりますが、
今回の滞在で、関わってくださった全ての皆様、
これを読んでくださった皆様、
貴重な経験を、本当にありがとうございました。
今回のご縁をきっかけに
引き続き、今後ともよろしくお願い申し上げます。
渡邉帆南美