関口彩「宝を探しに(8日目)」
吉田町、滞在8日目は最終日。
本来なら1週間という決まりなのですが、私は所用で1日だけ県外に行っていたため、その分延長の8日目。
最後の挨拶ができていなかった、ホストのえはらくんに会いたいな。そう思って前日に彼のコーヒースタンド“CHILLIN COFFEE”のオープン時間を調べると、残念ながら私が静岡を発つ予定時刻よりも遅い。仕方ない、爪痕だけ残してくるしかない…
数日前、彼がなぜ地域おこし協力隊として吉田町に来たのか、なぜコーヒースタンドを経営しているのかなどの話を聞くことができ、とても共感できる部分があったんですね。
『子供の頃に描いた夢は、実は大人になってからも行動の大きな指針になってくれること。』
『常識や「こうあるべき」ということに囚われず、心の赴くままに動くこと。』
『「嫌だ」という感情を無視しないこと。』
これらが会社勤めからアーティストになった私がとても大切にしているキーワードなのですが、えはらくん、旅人の早渕ひとみんと「うんうん、そうだよね」と共有できたことが、とても良い時間だったのです。
私たちは、住んでいる場所、性別、年齢も全く違うのに、垣根を超えて理解し合える幸福を味わいました。
それは人生の宝だな。旅は宝探しだな。ありがとう吉田町、また来るかも、来ないかも。どちらにしても、この町での一期一会の出会いは、間違いなく私を形成するひとつぶになったよ。
【静岡で食べたいと思っていた「静岡おでん」を、ラストデイに食す】