深川未貴「やっぱり木は大きいに限る/さわやかデビューの2本(5日目)」
3日目の滞在記録を書いている途中で、そういえば大瀬崎に行ってないと気付く。
どうしても行きたい理由があるわけじゃないが、今後沼津までくることはあっても、大瀬崎まで行く機会はないかもしれない。どうせなら行っておこうと、溜まっていくnoteノルマを一旦忘れて、大瀬崎チャレンジ。
アクセスを調べてみるが、自転車で片道二時間という非現実的なコースが一番現実的だった。雨も降りそうだし、昨日の散歩で足もパンパンだし、何よりもあの細い道を走りたくない。
昨日会ったじいちゃんも、定番おすすめスポットって言っていたな…、というところで頼れるところを思い出した!
駅1階の観光案内の人に訊こう。
1階に観光案内所あったかな?と思って改札前に来ると、それらしき窓口発見。
めっちゃ教えてくれた。
アクセスが悪いと思い込んでいたが、15分後にバスが出発して、終点の木負農協まで行ったら、そこから大瀬崎まで連れて行ってくれるタクシーの簡易版(?)があるので、今すぐここで予約してくださいと言われ、あれよあれよという間に電話してバスに乗った。
迅速な案内と、良心的な公共交通機関のおかげで、ほぼ待ち時間なく、スムーズに大瀬崎まで行けた。
・・・
大瀬崎とはこんな感じ。
ここのビャクシン樹林と言われる大木と、海水から15メートルにも関わらず、淡水である神池が見たかった。
タクシーを降りて、神社まで向かう。
台風直後だが、ダイビングの若い男性客が多い印象。食堂にも、日焼けした学生の団体が来ていた。
大瀬神社は天狗にまつわる装飾が多くて、入り口には羽団扇とか、下駄の彫刻があった。私の地元では、あまり天狗にまつわる話を聞かないので、静岡には天狗がいるのかとワクワクする。
台風は過ぎたけど、神社は物凄い風が吹いていた。
後から知ったが、神池の魚に悪さをすると、天狗が飛んできて懲らしめられるらしい。そしてこれも、今ネットサーフィンして知ったが、天狗はこの池の隅っこにある小舟で夜寝て、朝になったらどこかへ飛んで行くらしい。
常に誰かに見張られている雰囲気を思い出すと、ほんとに天狗が来る気がして、かなりロマンを感じる。
神池の側に立っていると、大量の鯉が餌を求めて足元に寄ってくる。
富山にある鯉の池で、ボートに乗ったことを思い出していると、看板が目に入る。
怖っっ!!死ぬか精神喪失!?
気安く、富山の池の鯉と一緒にしてしまっていた。恐ろしや〜。
でもこんなに不思議なのに、言い伝えを守って大事に保護されているのはいいことだ〜。
隣にいた外国人カップルが、嬉しそうに鯉を眺めていた。
あなたたちはこの看板読めないかもしれないけど、とんでもない恐ろしいこと書いてあるから、絶対魚には触らないほうがいいよ、と心の中で語りかけておいた。
写真は、2つの株が一つの大きな木になっている夫婦杉。夫婦なだけあって、隣に設置されている祠の横に、ハート型の石が添えられていた。こんなにも見えない畏怖あふれるスポットなのに、そんなチャーミングな部分もあるのね、と嬉しくなる。
タクシーを予約した時間になり、バス停まで送ってもらう。
バスの出発まで15分くらいあったので、近くの商店に寄ってみた。
お菓子はポテトチップスとアーモンドチョコ、飴しか置いてなくて、その中でも、なぜかポテトチップスは7種類くらいあった。
入ってしまったから何か買わないとな〜と店内を見渡すと、寿太郎みかんの缶詰が陳列されていた。どこからどう見ても陳列されていたし、何なら入って一番手前の、ポテチの横に置いてあったので、かなりメインの陳列に見え
た。
やっぱり寿太郎みかん系の加工品はメインなんだな!と、みかんの缶詰をレジに持っていく。
レジのおばあちゃんが「え、これ買うの?」と言うのでドキッとする。
何で!?全然売れてない商品なの!?
「これ、売り物じゃないんだけど…。家で食べるのをただ置いてただけ」
え〜〜!じゃあ大丈夫です…となったけど、普通にそのまま売ってくれて、自宅の冷蔵庫で冷えてるものと交換してくれた。
よく分からんけど優しい!
・・・
帰りのバスに、小学生が10人くらい乗車してきた。
バスに入ってきた1匹のアブに、みんな大騒ぎしていて面白かった。
その盛り上がりを見ながら、私の小学校のときのあだ名が「みかん」だったことを思い出していた。
みきだからミカン、さやかちゃんはサクランボ、しーちゃんはショートケーキ、あみちゃんはアイス。
私の地元も少子化で、全校生徒が50人くらいだったので、上下関係があまりなく、みんな仲が良かった。
5つ年下の子達からも「みかん」と呼ばれていた。
盛り上がる子供達を見て、自分たちと似たような感じかなと思った。
夜ご飯はなんと!さわやかデビュー!
あまりの嬉しさに、鉄板の下に敷く紙を持って帰ったが、
油でベトベトの紙をキャリーバックに詰めながら、なんで持って帰ってきたんだろうと思っている。
人生初のさわやかを見届けてくださった皆んなに感謝!
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