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「最終日」(滞在7日目) 古谷晃一郎


見慣れたフジエダオガワホテル3階からの風景

朝起きると、安定の雨空。
チェックアウトをすべく、のろのろとホテルの部屋を片付けながら、今日の予定を曇天に圧された鈍い頭で考えてみるけどまとまらない。

そのなかで、ぼーっと浮かんできた、「気になる」

その1
滞在5日目の地域懇談会でいただいたピクルスにエンメーズというお酢が気になる。

その2
玉露園にあった村越化石の句碑「望郷の目覚む八十八夜かな」に添えられている点字が気になる。

その3
最終日だし、お土産がほしいので、藤枝のおみやげが気になる。


結局、チェックアウトの時間ギリギリまでホテルの部屋ででごそごそして過ごし、1週間お世話になったフジエダオガワホテルを後にしました。
とはいえ、今日の行き先が決まらないので、車内でGoogleマップを眺めながら、ホストの鈴木庸介さんから聞いたJA大井川まんさいかん藤枝が近いことを思い出して車を走らせました。

まんさいかんは駐車場がすでにいっぱいで、年齢層も様々なお客さんで賑わっていました。店頭の商品も品薄なものもあり、まんさいかんの人気ぶりが覗えました。

生落花生やウワサのゆら早生みかんなど、みるだにフレッシュな農作物がたくさん

そして、売り場をウロウロしていると、噂のエンメーズが売り場にありました。
エンメーズは延命酢だった!
さらにはオレンヂ・ビネガーと延命酢フォントのジャンプ感がすばらしいですね。
もちろん購入しました。

「オレンヂ」の表記が期待感を高めます。

そして、藤枝の方から度々名前の出ていた、蓮華寺公園内にあるとんがりぼう(旧藤枝製茶貿易商館)にも行ってみました。
蓮華寺公園は市民が集まる大きなハス池のある公園で、この日は雨にもかかわらず傘をさしながら散歩をする方々が思いの外たくさんいておどろきました。
いい天気だと、とてもいい公園なんだろうなぁと雨を恨みつつ、歩いているとスワンボートとその先には見慣れないボートが。

キメラ的なパンダボートとコアラボート

キメラボートとの出会いににまにましつつ、とんがりぼうで買ったお茶おむすびをかじりながらハス池を一周して、藤枝出身の俳人・村越化石の資料があるという、藤枝市郷土博物館・文学館へと向かいました。


玉露の里にある化石の句碑

館内は藤枝市の原始から近現代の博物館展示と藤枝市に縁のある作家の資料展示があり、村越化石の生前のインタビューをもとにした35分の映像展示もありました。
村越化石(1922-2014)は、静岡県藤枝市出身の俳人です。16歳でハンセン病を患い、療養所で生涯を送りながらも俳句を通じて自己を表現しました。大野林火に師事し、「魂の俳人」として知られ、数々の俳句賞を受賞しています。
インタビューのなかで病気のことや辛かったことには深く言及せず、特効薬・プロミンが開発されて以降の不治の病ではなくなったけれど、ハンセン病後遺症をかかえ「生きねば」の思いが、押し付けるのではなく伝わってくるように感じました。

村越化石『心眼~俳人村越化石、魂を句に託して』ダイジェスト版はこちらから見ることができます。


今日のメモ
・お茶のおむすびの爽やかさに驚き!自宅でもやってみたい
・村越化石についてもっと知りたい
・ナビに主導されつつもなんとなく道がわかってきた
・曇天ばかりだと、もう一度藤枝に来たい気持ちが高まる

今日のお茶請け
蔵田茶農園の干しいも(同じ旅人の亀川さんにいただいたもの)

明日のプラン
・日常に戻り、藤枝を思いながら過ごす。


おまけ
ありとあらゆるところで「藤」推しの藤枝市ですが、藤枝みやげで藤棚ミニハンガーを発見!いいもの見せていただきました。(こちらは購入せず)


とんがりぼうで発見しました

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