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山田洋平「消えた風景と記憶」(2日目)

怒涛のような初日を終え、ヒュッゲ湖西を後にする。また来たいと思うキャンプ場だった。今回は宿を3回変える。
2日目に向かう先は、「浜名湖、その先へ」
再びおんやど白須賀に訪れると、再び鉾井さんが凧揚げ&撮影に挑んでいるということで、海岸に向かう。

凧。全体のバランスが重要

風のない中、何度も凧揚げに挑戦する鉾井さん。
今日は自作の撮影装置を凧に取り付け、空撮を行いたいという。しかし、風が都合よく吹いてくれるわけでもない。
少しでも飛ぶ瞬間を狙って撮影装置を取り付け撮影に挑むが、今度は撮影がうまくいかない。
光量も雲の厚みによって変わるし、それによって露光時間も調整しなければいけない。その撮影の様子を見てて、カメラでの撮影も自然物との対話なのだと思った。光という自然物をどう相手取って望む結果を出すか。
彼の作品についても、彼自身から解説をしていただいたが、風という形のないものをどう形にしていくかが彼の創作で、人とも風とも作品を通して対話していく様子が印象的だった。

風の痕跡を捉えるための装置

作品について詳細に語りたい気持ちはあるが、今回の撮影結果は失敗。でもきっと成功するまで挑戦し続けるだろうと思う。自然物を変えることはできないから、自分のほうが変化していくしかないものだ。今度はいつ挑戦するか知らないけれど、彼の作品をまた見たいと思った。

話を白須賀に戻すと、街歩きツアーに参加させていただいた。案内をしていただいたのは白須賀に住んで70年の佐原さん。ここは写真とともに紹介したいと思う。

東海道を東から進んでいった時に初めて見える海の風景。明治天皇が遷都した時に初めて見た海がこの風景だったらしい。


小学校の門にある注意書き。ブラジルからの移民が多いらしく、ポルトガル語でも書かれている。



白須賀宿に入る入口にある魔除けのようなもの


白須賀宿。風致地区には指定されていない。


すでに空き家だが、今回のイベントのために開かれたお宅。白須賀宿の名残が見える。


アーティストの方の展示。海岸の漂流物から作られている。
お宅の美しい戸。本当に美しい。
人の手や意匠の素晴らしさが見える。
欄間も白須賀からの風景かもしれない。


このお宅も白須賀宿の名残が見える。


こちらも空き家。元鍵屋。
名残が見えるし、使い込まれた様子は趣がある。


鍵屋


ちゃんと東海道。と言っては失礼か。。。


イベント出店のお団子。


白須賀は柏餅発祥の地とのこと。


イベントのために作られた和菓子。白須賀の花であるクチナシで染めたもち米に金木犀入りのあんこで作られた特別和菓子


元吾妻屋、現白東館。
生産調整区域のため、店を辞めたら二度と開店できないらしい。


展示風景。窓ガラスとの合わせが良き。

綺麗目な写真を選んで見せているので、錯覚させてしまうかもしれないが、風致地区に設定されていない白須賀宿はほとんどが空き家。新築にしても自由に外見を作れるので、白須賀宿全体で見ると、虫食いのような造形になっている。白須賀宿という場所が徐々に忘れられて無くなっていっている最中の風景がここに見える。

話を聞くと、白須賀宿の歴史を裏付ける公共の資料などは、市町村統合が進んだ際に何故か失われてしまったらしい。歴史の資料は個人蔵が残るのみで、公開されるような資料も歴史もほぼ無くなっているとのこと。

時代の流れで歴史が失われていっている真っ最中の町。

この滞在で見るべきものの輪郭が見えた2日目だった。

無くなったもんはしょうがないし、どうするかだよね。

案内していただいた佐原さんの言葉が耳に残った。
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今日見つけた風景
新しくオシャレな建物
生け垣を刈る人とそれを見つめる杖をついた老婆の立ち姿と深い顔
発情しているオスとメス複数
観光客向けの店
外から見えるホテルの露天風呂
カラフルなホテル
いたる所にある津波注意の看板
海抜60mまで移動した白須賀宿
津波で壊滅した元白須賀宿



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