佐野風史 / 早田仁知 「[ⁿda̤mo̞nde̞] (7日目)」
みなさんこんにちは、10月28日から静岡県の白須賀周辺を探索している 佐野風史 / 早田仁知 です。
私たちは、「音象徴」を切り口に、聴こえてくる音を言語音に変換すること、そしてその音(おん)を再構成したときに立ち上がる情景を探究するPhonoscape Projectという活動をしています。
1日目以降のnoteは交代交代で書いていくつもりでしたが、昨日に引き続き、今日のnoteも再び2人で共同編集しながら書いています。
それでは、ここから下は、今日を振り返った色々な話…。
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今日は朝早くからシラスカリフォルニアの会合に参加させていただいた。僕らとは世代の異なる方々が集まって中心となって進められる場所に身を置ける機会は少ないから、とても貴重な体験をさせてもらったと思う。最後に改めてシラスカリフォルニアの概要を聞き、僕らも自己紹介をさせてもらった。白須賀という街がどのように興されているかを垣間見ることができた。
今回出会った白須賀の方々は一度白須賀の外に出てから戻ってきた方が多い。らしい。東京含め関東圏をはじめとし、海外まで。そういった経験を経て帰ってくると一周まわって白須賀の心地よさに気づくのだろうか。すぐそばにあるものにはなかなか気づけなくて、一度離れてみて見えてくるもの感じられるものもたくさんあるのだろう。
会合後、Kさんが船舶免許を取得したので浜名湖へ船を出すという流れになったので、そちらにご一緒させてもらった。浜名湖を外から眺めるだけでなく、中に入り込むことができるとは…。さらに、どうせなら釣りもしてみようということに。船着場や湖の上は、僕らがなかなか聴かない音──例えば、船同士が軽くぶつかる音とか、波が船に当たる音とか、船のエンジン音とか──が溢れていて、景色の音という観点でも面白いと感じた。
今日の浜名湖は、うんと青い。水路はほどよく緑。湖は、空や木々の様子を反射させている。
浜名湖へ船を出し、心地の良い風を感じながら、進んでいく。錨を一つを下ろしてから、ハゼ釣りが始まった。Tさんが持ってきた釣竿と餌を使って、僕らはほぼ初めての釣り体験をした。結構ハゼがいたようで、素人の僕らでも一時間で2~3匹作ることができた。難しかったのは、餌を狙ったところに投げ入れること。特に早田は苦戦していた。なんか釣りって反射神経とか運動神経とか空間把握能力とか普通に必要な活動なんだなと痛感。
お土産としてくずれパイと白須賀産の野菜を買いに、再びおいでん村へ訪れた。店員の方々は僕らの顔を覚えてくださっていたようで、今日も歓迎してくれた。やっぱり湖西の人達って暖かいよな〜。サツマイモが充分熟されて、焼き芋がトロトロになったら絶対また行こう。
今回の滞在最後のご飯は、かに伝でいただいた。鯛が美味しく煮魚として料理されていてほっぺたが落ちた。かき揚げがバイキング形式で無料で食べられたのもとても嬉しかった。ご飯の大盛りも漫画で描いてあるみたいな盛り方だった。めちゃくちゃお腹いっぱいになった。
ちょっと帰路を辿りながらこのnoteを書いている。道中お土産として栗せんべいとかを買ったりした。今は渋滞にハマってしまっている。
ちなみに、最終日のnoteなので、今までのタイトルのネタばらしをしようと思う。僕らのnoteのタイトルは、その日気になった誰かの発話を、発音記号(国際音声記号と呼ばれる)で書き表したものだ。以下に、今までのタイトルがどんな発話を表していたのかを列記しようと思う。
1日目:[d͡ʑãndaɾaɾiŋkʰĩŋkʰõŋkʰãɴ]
→ジャンダラリンキンコンカン(じゃんだらりんきんこんかん)
浜松の人が湖西の人の言葉を揶揄するときに使う言葉。
2日目:[ço̝ːʑɯ̃ŋːo̝ʔ]
→ヒョージュンコ゚(標準語)
シラスカリフォルニアの方々と車の中で話してたときに出てきた言葉。
3日目:[ma̤ˑd͡ʑi̯ɯma̤e̝ɾæ̤̞ː]
→マジウマェラー (まじ美味いらー)
スッポン鍋をごちそうになってるときに聞こえた言葉。
4日目:[na̤ːnde̞da̤jə̯ɑːːʔ]
→ナーンデダヨァーー (なんでだよー!)
水族館ウォットで小学生が叫んでた言葉。
5日目:[ɕiɡa̤ikʰa̤t͡ɕo̞ːse̞ːkʰɯikʰʲi̥]
→シガイカチョーセークイキ(市街化調整区域)
ビオトープに野草採りに行った帰りに佐原さんが言ってた言葉。
6日目:[kʰakʰʲi̥kʰo̞]
→カキコ (かきこ)
地元のスーパーかきこやの「かきこ」。鰹節を削った時に出てくる粉のこと。人力織機を体験した時に聞いた言葉。
7日目:[ⁿdämo̞nde̞]
→ンダモンデ (んだもんで)
シラスカリフォルニアの会合に参加した時によく聞こえてきた言葉。「~なので」みたいな表現?