携帯獣微細構造学 序論
携帯獣微細構造学とは?
「携帯獣微細構造学」とは、ふしぎなふしぎな生き物であるポケットモンスター、縮めて「ポケモン」の「微細構造」について空想する学問です。
「とうきょうタワーもとびこえる」
「アイアントを溶かして食べる」
ゲームの中では表現されない驚異的な能力や弱肉強食の世界など、ポケモンの生態が書かれている、ポケモン図鑑。
ポケモン図鑑の説明文には、生態に関することだけでなく、伝承やうわさなど多種多様な記述があり、全ての始まりである赤・緑から最新作のスカーレット・バイオレットに至るまで、ポケモントレーナーたちの想像力をかき立てる大きな役割を担ってきました。
図鑑説明文は、ポケモンの世界を描写する情報の宝庫です。
さて、突然ですが皆さんは、動物園のクジャクの鮮やかな羽を見たことがありますか?
あるいは、メタリックな色合いの翅を持つチョウやタマムシを見たことがあるでしょうか?
実は、あの鮮やかな色合いは、物体の表面や内部にある、目に見えない小さなデコボコや層状の構造によって発現しています。
このように、私たちの世界にいる生き物は、目に見えない微細な構造によって、鮮やかな色で輝いて見えたり、驚異的な能力を発揮したりしています。
私たちの世界の生き物がそうであるならば、ポケモンにも微細構造があるのでは…?
ここで、皆さんもよく知っているとあるポケモンの図鑑説明文をご紹介します。
こちらは、もりトカゲポケモンのキモリの図鑑説明文です。
キモリのように壁や天井を歩くことができる生き物、私たちの身近にもいませんか?
そう、ヤモリです。
実は、ヤモリの足の裏にも、キモリと同じように小さな構造がたくさん並んでいます。
そして、この微細な構造によって接触する表面積を稼ぐことで、垂直の壁や窓を歩いていることがわかっています。
もしかしたら、キモリもヤモリと同じような原理によって、壁や天井を歩いているのかもしれません。
このように、ポケモン図鑑の説明文を眺めていると、微細な構造の記述や、存在を予感させるような文章が随所に見つかります。
とはいえ、目に見えないサイズの構造が、ゲームグラフィックや公式イラストで表現されることは、今のところありません。
そこで、先ほどのキモリの例のように、私たちの世界の生き物の微細構造をたよりに、ポケモンの微細構造について空想してみることにしました。
それが、「携帯獣微細構造学」です。
学会発表
2022年10月に開催された非公式のファンイベント「第5回リモートポケモン学会」で、ポケモンの微細構造の空想をお話させていただきました。
比較的わかりやすい事例を取り上げていますので、入門編として是非見てみてください。
「ポケモンの微細構造について考える
~構造色から透明マントまで~」
推奨テキスト
携帯獣微細構造学について、リモポケ学会での発表内容を中心にまとめて一冊の本にしました。(完全非公式の同人誌です。)
発表の中で語り切れなかったことや、技術的に込み入った話も記載しています。
「携帯獣微細構造学概論」
空想ツイートまとめ
携帯獣微細構造学に関するツイートをまとめています。
考察が捗った時に不定期に更新しています。
おわりに
ポケモンの微細構造について考える活動「携帯獣微細構造学」は、空想ツイートや同人誌執筆など、不定期に細々と実施しています。
すべて執筆者の空想・妄想となりますので、内容への質問、ご意見やアイデアなどがありましたら、是非ツイッターアカウントに投げていただければと思います。
※「携帯獣」とは、赤・緑が発売された頃の書籍「ファミ通 ポケットモンスター図鑑」などに記載のあった単語です。「タマムシ大学携帯獣学部教授」のオーキド博士による「携帯獣概論」など、ポケモンの漢字表記、あるいは学術的な呼び方のような単語として使用されています。