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人口減少地域に生まれ育つということ(2)友達が少ない

私は東北地方の人口減少地域で生まれ育ちました。

「人口減少地域に生まれ育つということ」シリーズでは、自分の経験を記すことで、現在人口減少地域に住む子どもたちにとって何かしらのヒントになるといいなと思っています。

人口が少ない地域に住んでいて、一番大きな問題だと感じるのは「友達が少ない」ということだと思います。

私は幼稚園から中学校まで、1クラス25人程度のクラスでずっと一緒に過ごしました。合計12年間同じ顔ぶれのメンバーで過ごしたのです。
自分の地域には幼稚園が1つしかなく、小学校も中学校も1つずつなので、途中で転校生が1人入った以外はずっと同じメンバーでした。

あの頃はこの環境が当たり前で何も感じていませんでしたが、都市部に出てきてびっくり。12年間も同じ顔ぶれ、しかも1クラスしかないところはほとんどありません。私がいた環境は「激レア」な環境だったのです。

このような環境にいるとどのようなことが起きるのでしょうか?
例を挙げて行きたいと思います。

・仲のいい子は大体固定されるので、幼稚園〜中学校までだいたい同じ子とずっと一緒に過ごすことになります。
・成績の良い子はずっと成績の良い子だし、運動ができる子はずっと運動ができる子。反対も然りです。
・競争という言葉は存在しません。
・ずっと一緒にいたから仲が良いのかというとそうでもありません。
・刺激が少なく、退屈さや馴れ合いも感じます。
・人間関係に飽きてしまう。特に中学時代はもっと多様な人と関われると良かったと思います。
・人が少ないので部活動の数が少なく、やりたいことができないことが多いです。
・クラス替えを経験していないので、高校で友達を作る方法がわかりませんでした。

何かの記事で、小規模の小・中学校かつずっと同じメンバーで過ごしてきた人たちはコミュニケーション能力が育ちにくいということが書いてありました。
まさに自分がそうです。同じ人間関係の中では友達をもっと知ろうとしたり、自分から友達を作ろうとする経験ができないと思います。友達とのやりとりも固定化し、「このような子がいたらこう対応する」などの経験値が少ないなと自分でも感じています。

自分が中学に上がる頃だったか、自分の中学校が統廃合され、2クラスになるという話が出ていたことがあります。クラスが2クラスになるし、新しい人間関係ができる、部活も増えるかもしれないと思い、密かに期待していましたが、地域の大人の反対によって結局実現されませんでした。

<人口減少地域の子どもたちへのメッセージ>
 クラスの友達が少ないと、自分と関心が合う子がいなかったり、寂しい思いをすることがあるかもしれません。
 他の学校の人も通っている塾や習い事に意識して通うことで、他の学校の人と関わる機会を持ったり、今はインターネットが発達しているのでネット上で気が合う人を見つけたりする方法もあります。
 また、学校の授業の一環として、他の学校とネットをつないで一緒に学ぶということをしているところもあります。興味がある人は学校の先生に提案してみましょう。
 今の環境になかでずっとすごしていては新しい出会いはあまりできないと思って良いです。自分から新しい場所や人と関わるきっかけをつくること、受け身ではなく、自分から積極的に動くことで、素敵な出会いが生まれていきます。勇気をだして動いてみましょう。

<人口減少地域の大人の方へ>
 皆さんの生まれ育った時代よりも、子どもたちの数は大幅に減っています。もしかすると子どもたちは数名〜10数名のクラスでずっと過ごさなければならなくなるかもしれません。
 子どもたちは友達との関わりの中で多くのことを学びます。統廃合などによって学校がなくなってしまうことへの不安もあるかもしれませんが、子どもたちの成長を一番に考えるのであれば、近くの小中学校と合同で学ぶ機会を設けたり、学校とは別の場で友達作りができる体験を是非させてあげてほしいと思います。
 幸い、現在はインターネットが発達しているので、ネット上で他の学校ともつながることができます。新しい出会いを作るための多様な手段が今はありますので、どうが子どもたちを同年代の様々なお友達と出会わせてあげてほしいと思います。









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