リートンについて軽く考察してみる
検索エンジンを使用する際、有名なものといえばGoogle検索やBing検索、Yahoo! Japan検索、DuckDuckGo検索、最近ではGemini AIやCopilot AIなどが使われているだろう。どれも基本的に無料で素晴らしい機能を持つが、著者は最近リートンに注目している。
ChatGPT Plusに課金するかどうかを悩んでいた頃、とある宣伝が目に入った。
「リートンを使えばGPT-4が無料で使用できます!」。
今はCopilotやGPT-4水準のLLMが無料で使えるのだが、この当時はまだGPT-4のブランド力が強く、衝撃とともにどうやって資金調達をしているのかが気になった。
リートンの機能の紹介(リートンのここが凄い)
考察の前に軽くリートンについて触れていこう。
リートンは様々な生成AIが使える他、日本語可のプロンプトを記入して動く"AIキャラ"と呼ばれる機能がある。他にもAI検索という検索機能があり、便利なAIコンテンツそのものに課金をしなくても良い点が魅力的だ。
例としてAI検索に「東北ずん子の原作者について教えて下さい。」と聞くと以下の回答が出力される。
この生成成果物は3か月前のものであり、全く同じ回答が生成されるとはいえないが、非常に分かりやすい回答が貰える。
こういった情報はソースが多ければ多いほど生成物の偏りが少なくなるので、メジャーな分野においてAI検索は役に立つだろう。
そもそもリートンはどういう会社なのだろうか
日本におけるリートンは株式会社リートンテクノロジージャパンがアプリケーションを展開している(wrtn.jp)が、韓国向けのリートンとしてwrtn.aiが存在する。情報を見る限り、こちらは韓国の江南にある株式会社リューテンテクノロジーズ(주식회사 뤼튼테크놀로지스)の展開するアプリケーションである。
2024年5月のポスト(ツイート)には経済同友会で日韓企業について触れており、少なくとも"リューテンテクノロジーズ(韓国)とリートンテクノロジージャパン(日本)偶然会社名が同じだっただけ"とは断言できないだろう。
さらに、韓国は日本と比べて規制が構築されているという特徴がある。まだ情報が少ない中での考察にはなるが、日本の市場拡大が日韓のリートンにとって重要な局戦なのではないかと思われる。
これからのリートンを予想
リートンは他の生成AIよりもスマホユーザーに特化した生成AIを提供したいのではないかと思われる。
背景として3つの理由が考えられる。
1.モバイル版アプリの登場
リートンは(iPhone・Android端末向け)モバイル向けアプリとして登場した。(リートン (wrtn.jp))
iOSがブラウザのショートカットをホーム画面上に残す手もあるが、より多くのユーザーが触れやすいAIアプリを目指すと考えるとGoogle PlayやApp Storeで配信する方が効果的と判断したのだろう。
2.Claude 3の先行公開、UI・UXの見直し
著者はiOS版のアプリを事前登録をしていたので、Claude 3が無料で使えるようになった。
2024年1月と比べると
・GPT-3.5、GPT-4、Claude 2、PaLM 2(もしかしたら間違えているかもしれません)
そして現在ではGPT-3.5、GPT-4 Turbo、AI検索、AIキャラ、SDXL、Japanese SDXL、(Claude 3)が使える。
減ったLLMもあるが、Claude 2、PaLM 2に関しては競合のGeminiやClaude 3と比べると性能が劣ってしまう他、GPT-4は既にCopilotで無料で使える。わざわざ高いトークン代を支払って比較的魅力の少ないLLMを残すよりも、利用を停止して他に予算をかける方が合理的と判断したのだろう。
そして元々各モデルにプロンプトを与えていた機能はAIキャラに統合され、より直感的で触れやすい生成AIを目指しているように感じた。
例として、Stable Diffusion Web UIは"軽くて自由自在に操れる"を求めたComfyUIよりも"直感的で分かりやすい"Automatic1111やNovelAI、midjourneyの方が多くのユーザーに触れられている。
3.無料の謎
モバイル向けのリートンの紹介文の一部を引用する。
つまり"スマホ向けのLLMがどういうものかを知る為に、ユーザーが生成AIをどう使うのか知りたい"のだろう。
Web版を使い始めて薄々気づいていたが、この文章を見て70%程度確信した。
また、スマホ向けのLLMの開発をしているのはリートンだけではない。
・Google
Gemini Nanoを自身のブランドのスマホ"Google Pixel"シリーズに搭載している。GeminiとGoogleサービスとの連携も興味深い。
・Apple
Stable DiffusionのCore ML最適化、OpenAIと協力してSiriの改良。
追記: Apple Intelligenceの導入によるローカル動作の生成AI。文章生成や画像生成、Gemojiなどが発表されている。今夏に実装される予定。
・Microsoft
BingにCopilotを搭載するなど、Copilotとマイクロソフト製品の連携を図る。
Copilot+ PCの要件を定め、安心安全なローカル動作のCopilotを目指す。
この大手三社の他にもLLMに対する熱は凄まじく、もはや「前例が無い」などという理由は無い。
リートンをどう楽しめば良いの?
現在は無料なので、特に深く考えずに
・検索エンジンとして
・オリキャラとの会話として
・モデルの生成成果物に対する好奇心
などを楽しめば良いだろう。
著者はStable Diffusionのプロンプトを考えるのによく使用している。
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