人の夢の話はおもんない
朝、家人たちが
「今日おもろい夢みて」
「今日嫌な夢みて」
「今日変な夢みてな」
と話し始めた場合、返すべき返事として
正解なのは
「へえ。どんな夢?」
である。
「へえ。そうなんや」
ではこの話は終わってしまうからだ。
ああ、どうしよっかなあ。
そうなんやで終わらしたろかな、と思うが
どんな夢?て聞いてほしいのはわかっている
ので優しさを発動させてまあ、聞くんだけど、
いかんせん、夢のおもしろさや怖さを
他人に伝えるというのは難しいものである。
本人が感じた以上に他人が楽しめるものでは
ないので、ああ、どうしよっかなぁ、
となってしまうんである。
今日、変な夢をみた。
聞かれてないけど書きます。
私はぺーぺーの劇団員で日々、いい劇、
面白い即興劇ができるようになるため
精進している。笑をとる感じの劇団だ。
(現実にはもちろん、演劇などしていない)
審査員の前でアドリブで、仲間5人くらいで
劇を見せて批評を得たりする場面があるが
それがまったくうまくできない。
5人で、ひとりずつ何か言って、私の番でオチにならないといけないのに間違う。
そして他の4人の団員たちに違うって、
と冷ややかな目で見られたりして落ち込む。
ああ、わたしはだめだな。
団員の1人は、現実には近所に住む若者で、
20代のYくんという人だ。現実にはもちろん、演劇などしていない。
その人は夢の中では
「骨積(ほねづみ)」
という名前で登場する。姿形はYくんなのに。
トートバックにも「骨積」と書いてある。
未だかつて、「ほねづみ」などという
苗字を見たことも聞いたこともない。
彼は、ミスをして落ち込むわたしに、
ぼくは休みの日だってこんなに演劇の
ことを考えて頑張っているんだぞ、
という事を見せるために、1人で撮影した
動画を見せてくれる。
骨積くんが雨の中、道路脇のみぞに寝そべり、
ただ雨に打たれているのを、引きで撮影した
動画だ。
それをみた私は、
「本気や。この人は本気で演劇をやってる
んや。それなのに私ときたら。
本気でやってんのかゴラ!」
とおのれを奮い立たせるのだった。
という夢。
なんやこれ。