クルアーンのみに基づくイスラム実践 (其の三)
ハディース主義者の捉えるイスラム像に迫る シリーズ三回目の今回は、イスラムの唯一の啓典であるクルアーンに対し、ハディースという「外典」を組み込んだいわば「スンナ教/ハディース教徒」とも言える、ハディース主義者らの教義の実態解明を試みる。
前回までは、アラブ民族主義の世襲王朝がハディース集の作成に着手したこと、またシャーフィイーをはじめとする王朝の御用学者らが「ムハンマドの伝統(スンナ)」を、クルアーンに次ぐ「第二の啓示」として、公式教義化させた事実などをざっと見てきた。