坂田三樹(Micky Sakata)

マディーナ・イスラム大学神学部卒(2016)。クルアーン主義、ハディース批判、アラビア語、語学留学、筋トレ、分子栄養学、仮想通貨など

坂田三樹(Micky Sakata)

マディーナ・イスラム大学神学部卒(2016)。クルアーン主義、ハディース批判、アラビア語、語学留学、筋トレ、分子栄養学、仮想通貨など

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クルアーンのみに基づくイスラム実践  (其の一)

 全五回からなるこのシリーズでは、「ハディース」の影響を排し、クルアーンのみを用いたイスラムの実践が成立するのかどうかという点について、クルアーンの記述のみならず、ハディース主義者らの主張も交えて検証していきたい。  まず今回は、「クルアーン主義」的な観点によるハディース主義(スンナ・シーア派の根本教義)の批判、そして古典的比較法学書「ビダーヤトル=ムジタヒド」(イブン・ルシュド著)に記された、ハディース主義者らによる実践行為の矛盾点などをクルアーンと照らし合わせていく。

    • クルアーンのみに基づくイスラム実践  (其の三)

      ハディース主義者の捉えるイスラム像に迫る シリーズ三回目の今回は、イスラムの唯一の啓典であるクルアーンに対し、ハディースという「外典」を組み込んだいわば「スンナ教/ハディース教徒」とも言える、ハディース主義者らの教義の実態解明を試みる。  前回までは、アラブ民族主義の世襲王朝がハディース集の作成に着手したこと、またシャーフィイーをはじめとする王朝の御用学者らが「ムハンマドの伝統(スンナ)」を、クルアーンに次ぐ「第二の啓示」として、公式教義化させた事実などをざっと見てきた。

      • クルアーンのみに基づくイスラム実践  (其の二)

        はじめに 本題に入る前にまずは前回のおさらいをしたい。  このシリーズの主題であるクルアーン主義とは、筆者が編み出した持論でも独自解釈でもなく、クルアーンの明確な記述のみに従い、外伝の影響を排したクルアーン理解およびそれに基づく立場というシンプル極まりないものだ。  重要なので繰り返したい。クルアーン主義そのものは、筆者個人のつくった主張や解釈ではない。確かに日本ではこれまで殆ど知られてなかったが、もともとイスラム圏の言語または英語で “Quranism” “Quran 

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