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昨日(2022.10.24)の日経新聞記事より❷:自社の「品質不正」を読み取るには…
昨日の投稿では、2022年10月24日の日経新聞の記事のうち、「完全栄養食」について取り上げました。
前職で食品業界にいた人間として、この「完全栄養食」が商品化されていたというのは、衝撃的でした。
実は、製造業のコンサルタントを行っている私にとって、もう一つ注目すべき記事がありましたので、今日はその記事についてお話しします。
それは、「品質不正」に関する以下の記事です。
1.品質不正「業績優先が原因」 三菱電機なども、民間調査【日本経済新聞2022.10.24朝刊、10/22電子版】
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デロイトトーマツグループが公表した「企業の不正リスク調査白書」で、日本企業に「業績優先の企業風土が、品質不正を生み出している」という実感が広がっていることがわかったという記事です。
最近、三菱電機や日野自動車のような日本を代表する大企業でも品質不正やデータ偽装などの問題が続発しています。
これまで、日本企業は「品質」が高いことで、世界に誇っていたと、少なくとも私は思っていましたが、どうしてこんなことが起きているのでしょうか。
デロイトの調査では、そんな疑問を解明するよう「日本企業で品質不正・データ偽装が多発する理由」を複数回答で調査したようで、この記事ではその概要を説明していました。
2.何が品質不正を多発させるのか
この記事では、品質不正・データ偽装が多発する理由として一番に
「❶業績などを優先する組織風土が原因」
としています。
記事の中では、続いて、以下の原因が紹介されていました。
「❷人事固定化」
「❸上司の指示が絶対」
「❹事なかれ主義」
「❺コミュニケーション不全」
「❻ルール遵守の意識不足」
「❼第三者のチェック不足」
「❽ルールやマニュアルの未整備」
これらは、一見、原因として当たり前のようですが、実は、経営トップや役員、部門長になる程、この点、ピンと来ていないのではないでしょうか。
私は、これらを役員および従業員認識することから始めることが重要だと思いました。
3.品質不正をなくすにはどうしたらいいのか【私見】
3-1)部下が上司を評価することも大切
近年は、360度評価のように、上司が部下からも評価される時代になって来ました。
上司が一方的に部下を評価するのではなく、部下や同僚、他部門から評価されることで、「❶業績を優先する組織風土」「❸上司の指示が絶対」「❹ことなかれ主義」が緩和されていくと感じました。
3-2)ISOマネジメントシステムを確実に遂行してみては
ISOマネジメントシステム(品質、環境、労働安全衛生等)には、「内部監査」という仕組みがあります。
もちろん、企業自体にも監査部による監査、監査役による監査、外部監査があると思います。
しかしながら、企業内部でお互いが忖度なく確実に監査し合うことで、他部門の業務も理解でき、自部門の課題も見えて来るものです。
ISOマネジメントシステムを取得している企業は非常に多くあると思いますが、今一度、内部監査がどれだけしっかりなされているかをチェックしてみては、如何でしょうか。
3-3)真摯に自己チェックしてみてはどうか
経営トップや役員が、これを自ら行うのは難しいかもしれません。
しかしながら、私がこの記事を見た時に真っ先に感じたのは、こんな素晴らしい「チェックリスト」があるのだから、まず、チェックしてみてはどうかということです。
ただ、「❸上司の指示が絶対」「❹事なかれ主義」の企業体質の経営トップや役員が自己チェックできるのかが一番問題ですね。
現在の日本の大企業のようにピラミッド型組織では、下から改革するのは、まず不可能です。
ならば、経営トップや役員、少なくとも人事部が、外部環境の変化を感じ、自ら変革することが必要です。
いっそのこと、「PDCAサイクル」を見直し、「OODAループ」思考のに頭を切り替えて見ては。。。と思いました。
ポスト「PDCAサイクル」と呼ばれる「OODAループ」については、下の投稿をご覧ください。
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