“新時代の成長戦略” を探る: 社会課題を事業に変え、存在感とファンを拡大する3つのヒント(日経新聞サステナビリティ記事【その7】)
“ニューノーマル” の今、企業が成長し、社会での存在感を高め続けるには、どんな戦略が必要なのでしょうか?
今回よりテーマを少し変更し、“社会課題をビジネスの原動力に変える” という視点で、日経新聞の3つの記事から学べるヒントをご紹介します。これらの事例は、単なる環境保護やCSRの枠を超えて、企業価値を高め、ファンを生むモデルを示しています。
日本コカ・コーラの水源保全への投資は、地域社会と共に成長する姿を描き、CSV(共通価値創造)の理想を体現しています。
また、サトウ食品が進める “紙包装” への切り替えは、環境配慮をブランド価値に変え、消費者の心をつかむ一手。
そして、食品ロス削減アプリは、規格外商品を活用し “無駄” を “価値” に転換する革新です。これらの事例から、企業が生き残るための新しい発想と戦略が見えてきます。
※リンク先の記事は、日経新聞会員限定ですのでご了承ください。
1.【45】2024年11月4日(月)日経新聞 朝刊【水源・農地を守る】:
技術で水源・農地を守る 日本コカ・コーラ副社長 田中美代子氏
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84524160R01C24A1TCS000/
(要約)
日本コカ・コーラは水源と農地の保全に注力し、2030年水資源保全戦略の一環として水使用量の削減と再生利用を推進している。
茶葉産地の御前崎市などと協定を結び、地下水位低下に対応する森林保全やバイオ肥料の活用で環境負荷を軽減している。また、工場では無菌充填ラインや電子線殺菌技術により水使用量を削減し、製品に使用する水量に対し3倍以上の水源涵養率を達成している。
(コメント)
コカ・コーラの水源保全は、環境保全とCSV(共通価値創造)の理想的な取り組みです。
飲料業界の特性上、持続可能な水資源管理は不可欠であり、地域の水資源への配慮と地元との協力が社会と企業の利益につながっている。特に水使用量の削減技術やバイオ肥料の活用は、環境への影響を最小限に抑える革新として評価される。こうした取り組みが、地域と企業の価値共創を実現している。
#コカ・コーラ #水 #農産物 #環境保全 #茶葉 #森林 #地下水 #バイオ肥料 #涵養率
2.【46】2024年11月9日(土)日経新聞 朝刊【紙包装】:
サトウ食品、鏡餅を全面紙包装に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84676170Y4A101C2L83000/
(要約)
サトウ食品は、新潟県新発田工場で正月用鏡餅の出発式を行い、今年の鏡餅はプラスチック窓のない全面紙パッケージに変更するなど、環境対応を強化した。
価格は年内据え置きとし、来年に値上げを検討しているとのこと。ライフスタイルの変化や人口減少による市場縮小を受け、小型サイズの製品拡充や環境配慮への取り組みも進めている。
(コメント)
食品業界全体で、環境配慮の強化は今後も重要な課題である。
サトウ食品のようにプラスチックから紙へのパッケージ移行は、消費者の環境意識に応える好例である。特に、包装の環境負荷低減やサイズ多様化は、持続可能なライフスタイルに即した商品展開といえる。今後もバイオマス素材やリサイクル対応技術の活用が進むことが予想され、企業のブランド価値向上に繋がると考えられる。
3.【47】2024年11月9日(土)日経新聞 夕刊【食品ロス】:
食品ロス、ポチって削減 アプリで果物・魚まで 期限間近・規格外が安く 物価高、節約志向捉える
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO84691820Z01C24A1MM0000/
(要約)
賞味期限間近や規格外食品を安価に販売し、食品廃棄を削減するアプリが広がっている。
クラダシ社やレット社、コーッキング社のTABETEなどが代表的で、物価上昇や節約志向が利用者増加を後押ししている。食品業界の商慣行「3分の1ルール」による廃棄の多さが背景にあり、クラダシ社は売上の一部を環境保護団体に寄付するなど、サステナブルなモデルを構築している。今後、流通業界や消費者意識の変革が求められ、大量消費から持続可能な消費への移行が課題とされる。
(コメント)
食品ロス削減アプリの普及は、環境負荷低減の面で重要な展開である。
企業が消費者へ直接販売することで、従来の商慣行や大量廃棄の文化に変化が生まれつつあり、持続可能な流通モデルへの第一歩といえる。今後は3分の1ルールの見直しや食品ロス削減法の整備が進むことで、食品ロス削減が一般化し、企業も消費者も「買う」から「無駄にしない」意識への変革が期待される。
#賞味期限 #規格外 #食品廃棄 #物価上昇 #節約志向 #クラダシ #3分の1ルール #環境保護団体 #ケンミン食品 #レット #コークッキング #TABETE #食品ロス #食べ残し
4.おわりに:
新時代の成長を考える上で、今回の3つの事例は企業にとって多くの示唆を与えてくれます。
社会課題を自社の事業に組み込み、それを通じてファン層を広げ、利益を生む “共創モデル” は、これからの企業に欠かせない視点です。この変化の激しい環境下で生き残り、成長を続けるためには、柔軟な発想と、事業を “社会の課題解決” として再定義する力が求められます。次回も、成長へのヒントを皆さまにお届けします!
以 上
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?