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VUCA時代を楽しく生き抜く方法
こんばんは。Mickey★です。
今日は、南極点を目指した2人のリーダーから不確実性のある時代で、どのように考えていけばいいのかを書こうと思います。
あくまでも、個人の考え方であり、正解はありません。
何かを考える時にヒントになればという、気持ち程度でお読みください。
アムンセンとスコット
今でこそ、南極大陸に船や飛行機で行くことができるようになりましたが、昔は技術的な問題があり、色々な人が19世紀から南極点への到達を目指していましたが、断念することとなります。
1910年にアムンセン率いる探検隊とスコット率いる調査隊がほぼ同時に南極点の到達を目指し、アムンセン隊、スコット隊の両方とも南極点に到達しますが、スコット隊は帰還中に全員が死んでしまいます。
本書は、2人の冒険を通して、何故、そのような結果となったかが記載されています。
※私が読んだ当時は絶版となっており、図書館で借りたのですが、2021年に文庫とKindleが発売されています。この本は私が読んだ中でも五指に入る本だったので、文庫版が発売されて良かったと思います。
私がこの本を読んだきっかけ
4,5年くらい前にAIによって人の仕事が奪われるとか、VUCA(変動性が高く、不確実で複雑、さらに曖昧さを含んだ社会情勢)と呼ばれる時代に突入といった話が出てきており、『予測不可能な時にどのようなことをやっていけばいいのか?』ということを考えました。
ビジネスで管理職になる人は、戦略や戦術、マーケティング等のフレームワークを学ぶことが多いと思いますが、型を学習することで失敗するリスクが減るからという認識をしています。そのため、だいたいのビジネスは、過去の事例や経験を本を通して学ぶことはできるものの、それはあくまでも『過去に起こったもの』であり、これからの時代に適応できるとは思えませんでした。
冒険家や探検家の人たちは、その当時は技術も発達しておらず、誰も経験したことがないことに挑んでいることに気付き、『冒険家や探検家の話から何か得られるかもしれない』と考えて、この本を読みました。
ただ、当時の私は、原因は分かったものの、それを踏まえて、どうするべきかを考える力が不足しており、自分の心に腹落ちする答えが出せていませんでした。
最近になって、ようやく自分なりの結論が出ました。
VUCA時代を楽しく生き抜く方法
1.自分がやりたいこと、残りの人生で成し遂げたいことを考える
アムンセンとスコットの2人が南極点を目指す目的や意義が大きく異なっており、アムンセンは子供の頃から探検家になりたいと願い、『自分が誰もやったことがないことを目指したい』という中で、南極点の到達は成し遂げたいことの一つでした。それに対して、スコットは軍人であり、南極点到達のリーダーとして国からは選ばれたため、『イギリス全土をかけて何が何でも成し遂げなければならない』という自分の気持ちよりも役目として捉えていたことです。
国を背負っている場合、不測の事態に撤退する等の決断を鈍らせてしまいますし、自分の気持ちよりも役割を優先させるということで、正しい判断ができなくなる可能性が高いように感じました。
家族、友達や会社の人達などを度外視して、自分が何をやりたいか、為すべきかを考えることが大事だと思います。
2.ゴールの設定と情報収集をして計画を立てる
アムンセンもスコットも南極大陸への探検や調査が初めてではなく、その前に北極等への探検の経験はもっていました。アムンセンは、過去の経験や経験者への情報収集から、どういったルートでいくか、どういうメンバー構成にするか、食料や装備品、どういう方法で向かうかを自分で計画を立案します。スコットは、メンバー構成、食料、装備品は国から支給されたものを使用しており、自分での判断がほぼありません。(国の1軍人という立場から、できなかったという見方の方が正しいかもしれません。)
自分で設定したゴールに対して、達成するまでの方法を具体的(いつまでに、だれと、何を、事前に準備するもの)、かつ、調子が悪い時でも勧められる、無理のない計画を立てることが重要だと思います。
計画に抜け漏れがないかは、適切な人に確認もしくはアドバイスをもらうことも大切だと思います。
3.事前準備をちゃんとやる
南極点を目指すにあたって、食料貯蔵庫「デポ」を作ることが重要だったのですが、スコット隊は計画では、南極点から80度の位置にデポを築きたかったものの、主力の馬が調教されておらず、使えなかったことで80度手前にデポを築いて帰ってしまいました。対して、アムンセンは調教したエスキモー犬を駆使して、デポを2回に分けて80度、81度、82度に築きました。(アムンセンは、追加で3回目のデポも実施しています。)
この2人の計画と事前準備の差が後々の悲劇を招く形となっています。
事前にできうることは、計画通りもしくは、計画よりもやり過ぎと思うくらいに念入りにやった方が良いと思います。
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4.計画に基づいて実行する
アムンセンとスコットで一番対照的だったのは、計画に対しての実際の行動に大きな差があったと思います。
アムンセンは天候が良くても、悪くても1日に計画している距離以上は進みませんでした。スコットは天候が良い時はへとへとになるまで進み、天候が悪い時は、進めるだけ進むという、行き当たりばったりの計画でした。これによって隊員は体力だけでなく、心も蝕んでいく形となります。
そのため、計画を綿密に立て、その通りに実行することが大切だと考えます。
5.自分の体と心のコンディションを整える
アムンセンは過去のチームの士気が落ちた経験から、本や音楽等を準備して、余暇を楽しめるように気を配ったり、3人用のテントをカスタマイズして5人で寝る等の工夫をしていました。
スコットは、体も心のコンディションが悪く、計画通りに進まない焦り等からだと思いますが、元々、北極点に向かう人数を4人と決めていたのに、5人に変えてしまうという、よく分からない決断を下しています。(それ以外にも、決断したことが結果的に裏目に出ている場面がいくつかありました。)
計画を進める上で、自分の健康状態を整えることを一番意識した方が良いと思います。
特に睡眠不足はパフォーマンスが大きく低下するので、睡眠は最低でも6時間(できれば7時間)は確保するようにした方が良いと思います。
食事は、個人差があると思いますが、私は、お酒と炭水化物の取り過ぎた時は、翌日のコンディションが悪い傾向があるので、気にしています。
最近は、瞑想を始めてみました。(始めたばかりで、効果はまだ分かりません。)
おまけ アムンセンのその後
南極点到達を果たしたアムンセンは、北極点の到達を目指し、人類で初めて2つの極地に到達しました。
しかし、最終的には、北極で遭難したイタリア探検隊の救助に向かい、帰らぬ人となりました。(遺体はみつかっていません。)
かくして、南極点を目指して闘った二人のリーダーは、北極と南極という一番遠い場所で眠っています。
スコット隊の遭難した真相を知りたくて、「南極のスコット」と「世界最悪の旅」も読みました。南極のスコットは、スコットの生い立ちやスコットが記した日誌等が詳しく取り上げられています。世界最悪の旅は、チェリー・ガラードという動物学者がスコット隊と一緒に南極探検をしたものをまとめた本です。学術研究として、命がけでペンギンの卵を採集している場面等が書かれています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
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