最近はカルチャーショックではなくカルチャー〇〇が深刻らしい
今年のゴールデンウィークに海外にいった方、また、夏休みに海外旅行へいく方は多いのではないでしょうか。
少なくとも、この記事を読んでいるあなたは海外旅行や留学などに関心高い方なのでは、と思います。
文化の違いというのは、旅行などの短期間でも感じるため、長期滞在であればあるほど差を感じる場面は多くなります。
カルチャーショック。日本語でいうと文化的衝撃。
引っ越しや転職など、日本にいながらも文化の違いに衝撃を受けることは多いです。
お昼休みの過ごし方、報連相のやり方、上司との距離感……。
日本にいると「人による」「会社による」で片付けられてしまうものが、海外にいくと「カルチャーショック」として、個人よりも全体に適用されてしまうのがおもしろいです。
ただ、最近はインターネットで調べれば何でも情報が出てくるため、その知識量に応じてカルチャーショックも軽減されているようです。
海外では日本ほど時間に正確ではなく、電車やバスの遅延はよくあること。日本は遠回しに言うことが多いけれど、海外ではストレートに伝えられるので慣れまるでは傷つきやすいかも。
こういったことは、少し調べたり話を聞いたりすればわかるようになりました。
しかし、頭ではそういった違いをわかっていても、実際に行く・暮らすとなると、その大きな環境変化についていくのが難しいことも多々あります。
仕事でも「知っている」と「できる」の間に大きな差がありますよね。ここでも「知っている」と「適応できる」の間には大きな差があります。
そのため、カルチャーショックより深刻と言われるのがカルチャーファティーグ(culture fatigue)。いわゆる「文化疲労」です。
文化疲労は多かれ少なかれ避けようのないものです。気候が変われば体調も悪くなりますし、慣れていない言語を使い続ければ歯がゆい時もありますし、現地で生活を送ればキリがないほど疲労のもとはあります。
そのため、何かしらの体調不良の症状が出ることはしょうがないと割り切ってください。大切なのはそこからどう早く適応するかです。
この「新しい環境に適応する力」。
元々人間は、変化を嫌う生き物です。今が安全に過ごせているなら、今の生活を続けて安全を確保しようとします。リスクを負ってまで、今の生活を変えようとはしないのです。
ただ、私たちは変わっていかなければこの先、生きていくのが難しくなることを知っています。
では、どうやってこの適応力を磨くことができるのか。
こう言うと、大きな変化に対する適応力でなければいけないと思われがちですが、心理学的には小さな変化を日々意識するだけで大きな効果があるそうです。
歯磨きでいつも右側から磨いているなら今日は左側から磨いてみる。いつも買わないお菓子を試しに買ってみる。電車で急行に乗らず、各駅停車で行ってみる。
また、この記事を読んでいる方は読書好きが多いと思います。本の選び方においても、工夫次第で冒険に変わります。
たとえば小説。最近は帯や本の中にあらすじの書かれたものが多いため、読む前にどんな内容か、ちょっとでも知った状態で読んでいるものが多いのではないでしょうか。
そこで、あらすじを読まず、表紙と背表紙だけで借りるかどうか決める、という実験がおすすめです。
前情報のない新しい本は、未知の世界への挑戦です。
表紙からわかる情報は作家名、作家の性別(ペンネームならこれもわかりません)、タイトルと装丁から連想できる主観的な情報だけです。
これだけの情報で本を手に取ることは、なかなかのチャレンジかもしれません。
もしかしたら駄作かも。全く読み進められないかも。選ぶときはまだ何もわかりません。
実際にやってみて読み始めると、始めの10ページほどは少ない情報から色々な設定を思い浮かべてしまい、なかなか内容が頭に入ってきませんでした。
たとえば、とある本では、
・オフィスで働いているっぽいけど、ここは昭和? 平成? 令和? それより先?
・外国名が出てきた、英語も使われてる、どんな仕事をしているんだろう?
・次々同僚が出てくるけど、誰が話のキーパーソンなんだろう?
などなど。
前情報がない、というだけでこんなにも設定を理解するのに時間がかかるとは思いませんでした。今まで本の帯やあらすじで知る前情報にどれだけ助けられているのかを実感できます。きっとアマゾンのサイト先で読める、たった2行の前情報を読むだけでも、作品への向き合い方は変わっていたと思います。
本に限らず、最近の商品やサービスは、それを買う前・受ける前に概要説明を読む・受けることがほとんどです。
「これをすると、こんな効果があります」
効果を期待して、買う・受けるサービスを取捨選択する。
その生活にあまりにも慣れてしまい、未知への挑戦心がどんどん薄くなっているのでは、と感じました。
科学技術により予測のつくことが増えた現代社会ですが、あえて予測がつかない世界に飛び込み、「予想する力」を鍛えることは、臨機応変に、新しい環境に適応する力に繋がるのかな、と思います。
カルチャーショックもカルチャーファティーグも、知っているだけで症状を緩和させることができます。
コロナ禍のように、いつ環境の変化が起こるかわかりません。小さな変化を意識的に起こして、来る大きな変化の際に疲れが出ないよう備えてみるのはいかがでしょうか?
変化のある毎日は楽しいものです。
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