有名ってことではない俳優が専門家として毎日何をしているのか? 〜はじめに〜
「みちよちゃんって、毎日何してるの?」
と聞かれることが、まあまああります。
日々、撮影や舞台がそんな頻繁にある訳でもない。かと言ってバイトをしている訳でもない。なんとなくお芝居にまつわる仕事をやりながら、ふわふわと生きている。
そんな人種がこの世には居て、確かによそから見るとどういう生活をしているのか、どうやって生計が成り立っているのか、なかなか想像がつかないのかもしれない。
8年前に「俳優業を営む個人事業主」として生計を立てはじめた私が、日々どんな仕事をして、何が楽しくて、どういうご縁で仕事を得ているのか、などなど、ときどき書いてみようかなシリーズの第一弾です。
へぇそんな仕事があるのか、ふーんと読んでみてください。
そしてもし「それって結構いいな」という方がいらっしゃれば、何か楽しいいっぽを踏みだすヒントになれると嬉しいです。
今日いちにちのこと
都内の高校に行ってワークショップのお仕事でした。
高校に行って、授業をする。
学校というシステムが大嫌いで反抗しまくりサボりまくっていた私が、何の因果かこの8年ずっと続けているお仕事です。まさか自分が高校で教鞭をとるなんて、想像もしていませんでした。
友人の紹介で「面白そう!やってみたい!」と飛び込んだ世界。平均すると月に3~4回やってるかな?
授業のなかで生徒が初めてのことに挑戦したりクラスメイトと協力して知見を得ていく様がキラキラと眩しくて、先生がたからも大変評判がよく、わたしも常に試行錯誤をかさねて楽しんでいるお仕事です(まぁ仕事はどれも常に試行錯誤だけど)。
「NPO法人16歳の仕事塾」という団体の事業で、都内の高校を中心にキャリア教育をおこなっており、社会に出るまえにどんなことをやっておくと力になるのか、ワークショップ形式で体験しながら知ってもらうという内容です。
この団体は講師として多くの俳優と提携していて、特に舞台俳優のもつ「場を掌握して動かす力」「巻き込んで伝える力」を大いに活用してくださっています。ありがたや。
私はここ数年、ざっくり7〜8社くらいの会社や団体と提携していますが、「仕事塾」は年間を通してお仕事をいただいているお得意先のひとつです。
今日は午後から2時間の授業なので、朝は家でゆっくり。
所属事務所とオーディションに関するやりとりをしたり、今度撮影する映画の台本を読んだり、月の収支をつけたり。
こんな風に、時間とやる気のある朝には2時間ほど、メールのやり取りやスケジュール調整、必要書類の作成などデスクワークをすることが多いです(やる気がない朝はベッドでだらだらしています。そういうとこだぞ)。
授業は2時間ほどで終わって、帰りに整骨院と図書館に寄って家へ。8月に出演する舞台の関連本を3冊ほど借りました。
夕食をつくって、三味線の練習をして、お散歩に行って、一日はだいたいお仕舞いです。
出来るかな?と思ったものは、必ず出来る
仕事塾を友人に紹介されたとき、経験のないジャンルに「出来るかな…」と不安を感じつつ、「面白そう、やってみたい!」と即答しました。
高校生40人の前で2時間、ひとりで喋る。セリフがきっちり決まっている訳でもない。今となってはセリフがきっちり決まっていない方が楽なんだけど、当時は大勢の前で話すには決まったセリフが欲しい!というアタマもあった。
出来るか分からないけど、、でもなんか楽しそうだし、わくわくする!
「YES」と答える理由はそれだけで十分だ。
どんな事も「ご縁」がとっても大切。ご縁がすべてと言ってもいいかもしれない。私がいまやっているお仕事のほとんどは「みっちょ、これやってみない?」と知人が紹介してくれたもの。そして、聞いた瞬間に感じる「アリやな!」「微妙やな」という勘って、すごく当たる気がする。これは沢山いろんな仕事に挑戦して、失敗も沢山してきたからかも。
最近は逆に「誰かいいひといない?」と頼まれて仕事を紹介する側になることも多く、そんななか感じているのは、「こういう仕事あるんだけどどう?」と紹介する時点で「この人は合ってそう、出来そう」と思うから声をかける訳で、声をかけられた時点でその人はほぼ確実に出来るんじゃないかなってこと。ちょっと合ってないかなって人にはお声かけしないもんね。だから声をかけられたら、あとは「出来るか、出来ないか」じゃなくて「やりたいか、やりたくないか」でいいんだと思う。
芝居を始めてから私は、少しくらい不安があっても、楽しそう!やりたい!と思ったものにはすべて「YES」で答えています。
「楽器できる?」「YES!(ギターのCとGコードを知ってるレベルだけど)」
「運転できる?」「YES!(10年ほどペーパーだけど)」
「英語話せる?」「YES!(必要最低限の初級英会話です)」
「オンラインで演技指導できる?」「YES!(やったことないけど受けたことあるから見様見真似なら)」
カッコの中は胸にしまって、本番までに何とかすればいい。初めはめちゃくちゃ緊張するけど、まあ誰でも、何でも、初めはみんな初めてだし。
という感じで、ハッタリからの事実を生み出し、幾多の仕事を得てきました。
中には見込みでお受けして失敗してしまったこともあるけど(すみませんでした)、それをバネに学びを深めて、後に大きく成就したりもしました。
人は、出来ないことに対して「出来るかな?」とは思わない。「出来るかな?」と思ったものは必ず出来る。だって「この壁かじれるかな?」なんて思わないでしょ、って昔、言われたことがある。
失敗しても大丈夫、失うものはほぼ何もない。楽しんでいこう。
ありがとでした
今日は、「キャリア教育のワークショップ講師」としてのお仕事と、挑戦への石本的心構えについてお話ししてみました。また別の機会に、別の日常をご紹介できればと思います。
読んでくださり、ありがとうございました!
ではでは、またね!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?