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外国人彼氏と、共通の話題がない。
私の彼氏は、アゼルバイジャン人ですが、イラン国籍です。
はっきり言って、共通の話題がありません。
ワンピース?コナン? アニメとか漫画って子供が見るものでしょ?
アンネ・フランク? 誰それ?
ヴィヴァルディー? 日本で有名なアメリカ人?
ハリーポッター? 聞いたことある、映画でしょ?
スターウォーズ? それも聞いたことあるような気がする。
日本では「みんなが知っている」ことを、彼は何も知らない。
彼が知っている日本のテレビ番組と言えば、
一休さん(アニメ)、おしん(昔の朝ドラ)、キャプテン翼(アニメ)
などでした。
イランでは、検閲が厳しく、イスラームの教えに反すること、イランの現政権の意にそぐわないことなどが含まれるシーンはすべてカットされるそうです。
「子供の時にハリーポッターっていう名前の映画をテレビでやってたことは覚えてるけど、カットされすぎて、話が飛びすぎて意味が分からなかった」
放映時間も1時間弱くらいだったらしい。
ほかにも、‘‘読んだら逮捕される本‘‘ があったように、本の制限も厳しかったらしく、「本は読まないと決めた!」らしい。
その一方で彼は、中東の歴史や政治情勢にかなり詳しい。「中東の専門家」からニュース解説をしてもらう私たちとは違って、彼にとっていまイスラエルで起こっていることは、まさに「自分ごと」なのです。それも、ペルシア語、アラビア語、トルコ語ができるため、翻訳や欧米系の報道局を通さずに、生のニュースをリアルタイムでチェックしている。
さらに、世界史の教科書や地政学の本には書かれていないような、史実にも精通している。
ノーベル賞で有名なノーベル財団を設立したノーベル兄弟は、実はアゼルバイジャンの石油資源を根こそぎ持って行ったことによって、莫大な富を得たということ。
イランは石油資源を持っているがゆえに、アメリカやイギリスに利用されてきたこと。
政府から認められない少数民族はいかにして迫害されてきたかということ。
などなど。
彼と話していると、「わたしってなんて世間知らずなんだろう?」って思ってしまうのです。「世界のことを何も知らないのはわたしの方だ」って気づかされるのです。
きっとわたしも彼も、井の中の蛙だったのです。でも別の「井戸」の中で育ってきた蛙が、外の世界で出会ったときに、「異文化交流」というものが起こります。見える世界が少なくとも2倍になります。いろんな国の人に出会えば出会うほど、その世界は広がります。
だから、彼と共通の話題はなくても、会話が楽しいんだ!ってことにいま気づきました。