見出し画像

怒涛の1年 震災を受けて

2024年12月31日
大晦日
今日を無事に家族、親族と過ごすことができることに心から感謝する。

2024年1月1日
能登沖地震により被災した。凄まじい1年の始まり。

みんなで楽しく過ごし、子供と公園へ行き、さて夜ご飯どうしようかねとか言いながらみんなでお茶してる時だった。

1度目の揺れ
「結構揺れたな…」
と思い揺れが止まり

2度目の揺れ
「あ、これやばいかも」

直後にバキバキと音を立てて家が崩れた
テレビが倒れ、食器棚から食器が落ちた
「なんだこれ、夢なの?」
現実味が全く湧かなかった
それくらいすごい揺れだった

子供達を守ることで必死だった
下の子が2階で夫と昼寝をしていた
無我夢中で叫んだ
とにかく無事でいてほしかった
何がなんでも子供たちを守らなければ
子供達だけでも助けなければ

自分の命よりも大切なものがある
本当にそう思った
自分はどうなってもいいから子供達だけでも助かってほしい

夫と下の子もなんとか降りて来た
本当に良かった

揺れがおさまり必死に荷物を持って外へ逃げた
極寒の能登
家の前は海
とにかく子供達の極暖なスリーパーと上着、抱っこ紐とぬいぐるみを持って山へ避難した

ここで野宿かぁ…と思っていたら
近所の人が助けに来てくれて避難所へ

避難所でも夢みたいだなと思って過ごした
後から聞いたら奇跡みたいだけど
他の避難所は震災直後から水道も電気もライフラインは全て止まっていたらしい

私たちがいた避難所は水道も電気も止まらずにいてくれた
それはそれは救いだった
明るい体育館の中で眠った
ほぼ仮眠。むしろ目を閉じただけ。おばあちゃんたちがずっと喋ってるから寝れたもんじゃない笑

メイクも落とせず、コンタクトも外せない。
メガネどこいったかな。洗面所大丈夫かな?コンタクト今日変えたばっかりだったなぁ…
歯磨きできないなー。むしろ義実家だったから避難グッズ持ってないよ…くそぉ。
数年前から地震が増えていたから買ってバッチリにしていたのに…

避難所での生活はライフラインが残っていたのでまだセーフだった
ママ友に後日聞いたら他の避難所は大変だったらし

食べ物もおにぎりとお味噌汁
こういう時にリーダーシップを発揮して色々動いてくれる人たちに本当に感謝と尊敬の気持ちを込めて

子供達はみんな元気に明るく
避難所でも笑い声が少しずつ出て来た
子供の力は素晴らしい
夜泣きや泣き声で怒る人は誰もいなかった
優しい世界だった

そんな中
3日になった夜中だった
実家の母から連絡が来た
父の訃報だった

元々4日に実家に帰る予定だった
だけど被災してどうなるかわからない
帰りたいとは思うけれど…と話していたがまさかの展開だった。

癌だった。
最後に会ったのは11月。
闘病中だったがなんとか会えた。
新居祝いに石川まで来てくれて、たくさんご馳走を食べた。
あとで弟から全く味がしてなかったけど食べてたと言っていたらしい。

父は私の1番の理解者だった
パパっ子だった私は父のことが大好きだった
こんなに早く会えなくなるなんて思ってなかった
なんでもっと早く教えてくれないんだ

11月に会った以降、12月から予定していた抗がん剤治療が継続できなくなり緩和ケアを勧められたらしい

その事実が本当にショックだったようだ
あっという間だった
辛そうな姿を私に見せたくなかったらしい
絶対私には連絡するなと母は止められていた

その中での震災

父のところに行けたのは5日だった。
訃報の連絡からなんとしてでも出発しなくては。
途中の道もどこの道が通れるかわからない。
賭けだった。地割れしている道路がいくつもあった。いつパンクしてもおかしくなかった。
いつもは20分あれば通れる道に4時間以上かかった。
やっとの思いで自宅に着くと、何も起きてなかった。新築ということもあるだろうが壊れているものは、小さなスノードームとガラスの小物入れ2つだけだった。信じられない。向かいの家や道路は崩れたり、地割れしていたのに…
最後の力を振り絞り、父は私たちを守ってくれたのだと思った。

無事に実家へ着き、父とも会えた。
ちゃんとお別れもできた。
最期に立ち会えなかったことだけが本当に心残りだが、最後の最期まで強い父だった。

震災、父の死
怒涛の1年だった
こんなにも濃い一年はなかった

無事に明日を迎えられそうなことに
心から感謝

人間は辛い時
泣けないものだなと思った
本当はわんわん喚いて泣いたりした方がいいのかもしれない
今泣いたら終わりだと
子供達に心配をかけてはいけないと
ずっと笑顔でいた

私も父のように
強い人でありたい
私を愛してくれたように
私も子供たちを愛そう
命ある限り生きていかねば

最後に
被災して多くの人々からの声援、支援のおかげで仕事も生活も成り立っている
ボランティアに参加してくださった多くの方々への感謝を胸に

いいなと思ったら応援しよう!