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贈与論
マルセル・モースという社会学者がいて、贈与の仕組みと、贈与による社会制度を活性化させる方法を論じている。
何年か前にこの学者の書籍に出会って『人にものを贈ること』について深く考えた事がある。
僕の解釈としては、『贈り物は、購入までの脈絡や思考も含めて、それを買うまでにどんな時間を費やし、どんな想いを持って購入したかもひっくるめて贈り物』という事。もっと深いんですけど割愛。
そして、大切な人への贈り物として僕が今一番素敵だなぁと思うのがatelierplow のダイヤモンドジュエリーのシリーズ。
色、大きさ、形、どれも自然体。
plow代表の伊林さんが言う"地球のかけらを切りとり、ほんの少しいただく"という言葉に、このナチュラルダイヤモンド達の神秘が詰まっています。
伊林さんがインドへ行き、研磨工場で現地民と共に働き、どんな食生活をしていたのか、どのように現地民に認められたのか、インドの研磨工場で丁寧に選ばれ、日本に来るまでの過程。
日本一泥臭く、着実に、堅実な方法で、誰もやってない事を成し遂げていると思います。
伊林さんの職人気質がそうさせてるのかなぁ。尊敬です。
どこかのチョコレート屋さんはカカオからチョコレートになるまでの過程を『Bean to Bar』と表現しているが、plowさんの場合、『Earth to Jewelry』とでも言いましょうか。
この世界で一つのジュエリーをいつ、どんな気持ちで、何を想って購入し、それをどんなタイミングで、どのシチュエーションで贈るのか。
先ほど言いましたが贈り物って、買って渡して終わりではなくて、購入までの過程の感情もコミコミで、『贈り物』だと思ってます。
僕は幸いにもplowさんの活動を近くで拝見させていただく機会があるし、マルセル・モースの贈与論信者なので、このダイヤモンドのシリーズはとても大好きです。
そしてこれが、FOLK FOLKに一定期間の展示があります。ぜひ脈略・背景といった、コンテクストもイメージしながら見て欲しいです。
詳しくは @folkfolk_wedding @wedesign_mie にて。