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自分のやりたいこと、街が求めていること。
東京・蔵前にあるNui. HOSTEL & BAR LOUNGE のkazuと
Something for you. #02 で話したテーマ。
自分のやりたいこと
もちろん、自分のやりたいことをやるのは大前提。
そこになおかつ、街も同じものを求めていて、
「それやってくれてよかった!」と思ってもらえるのがベストではないかと。
大切なのは、自分がやりたいことと、自分の住む街が求めていることのバランスです。
やりたいからやっているのが自営業。
だけど信用を得たり、応援してくれる人を増やそうと思ったときに、もうワンランク上にある“周囲に求められていることまで手の届く”ことが必要なんじゃないかと思います。
東京なんかにいると、いろんなものやサービスがあふれていて、ほとんどのことが事足りている状態ですが、地方はまだそのあたりが発展途上で、ないものも多い。
だから僕の住んでいる三重県では「今までなかったサービスをやってくれてありがとう!」っていう声が非常に多く、僕自身そこにやりがいを感じている部分もあります。
ニーズに的確に応える仕事
例えば、今すでに街にはたくさんの飲食店がありますが、自分がカフェを始めたいと思ったとします。
もちろん開業していいのですが、ここでは「ただでさえ街にはお店があふれているのに、その中で人から選ばれるようになるにはどうすればいいか」を考えるのが重要です。
何もなかったところから新しいもの(0→1)を始めるのではなく、すでにいろいろなお店がある中から自分の存在意義を認めてもらったり、やりたいことを持続可能な商売にするのが難しい。
それには、街や人が求めているものに手をつけること、つまりはニーズに応えるということが大切です。
がむしゃらに、「周りの意見は関係なくやりたいからやる!」も、せっかくのその熱量に対して評価がされなければもったいない。
やりがいが自分の中だけでおさまってしまうのか、誰かに評価されてどんどん伸びていくのかでは明らかな違いが生まれてきます。
・自分がコーヒーを淹れたいからバリスタをやる
・人をハッピーにするためのコーヒーを淹れる技術があるからバリスタをやる
この目的の差は大きいと思うのです。
ビジネスとしてやるのであれば、的確にニーズを捉えて、満たしてあげることが必須です。さらに言えば、そのニーズの先まで満たす、それが粋なんじゃないかと。
自分のお店が街に与える影響
「お店をやりたいんですけど、自営業の始め方教えてほしいです!」と僕に相談に来てくれる若い子たちがいて、彼らの熱量は理解した上で、それは街にとって必要とされていることなのか、そうではないのか、という話をします。
若い子たちが独立する理由がポジティブなものであればいいですが、『今の会社が居心地悪いから』とかっていうネガティブな理由だけでは、その先も長続きしないような気がして。
自分のやりたいことにプラスして、支援者やファンがつくことをしてほしいとは思います。
街のニーズに応えながら、それを自分のやりたいことに落とし込むことができると、それがwin-winの関係になるしね。
課題解決型のビジネス
何か新しいことを始めるとき、
・自分のやりたいことから始まる“自己主張”
・街が悩み求めることをやる“課題・問題の解決”
どちらが先でしょうか。
僕は、何年か商売をしてきた上で自分にスキルがあったとして、そのスキルでお金を稼ごう!というよりは、
街の課題があったとして、それに自分のスキルを当て込んで解決するような問題・需要ありきの課題解決型の方が、その後の持久力がある気がします。
自己主張と課題解決、どちらも必要ですが、
やりたいことができたとき、これは社会にとってニーズはあるのか?と考えるフローは必ず入るべきです。
何かを始めるときに、街の課題は何か考えたり、社会が何を求めてるかということは知っておく必要があると思う。
先ほど話した、自分に相談しにきてくれる20代半ばくらいの子たちも、熱量は十分であっても“課題解決”の目線で話をしにくる子はまだいなくて。
僕も今までトライアンドエラーを繰り返してきました。
考えたものが求められなかったり、いいものを作ったとしても、空振ることだってある。失敗やミスを積み重ねて進んでいくのが商売だとも思うけど、ニーズや需要について考えることを早いうちからしておいた方が、この先変に痛い目を見なくていい。
これから羽ばたいていく若き経営者、若者たちの情熱の先の視野がもっと広がればなと思います。
信用を得る方法
自分のやりたいことと、求められていることのバランスのとり方。
とあるアーティストが、絶妙な話をしてました。
世間に求められている内容はシングルとして曲をリリースして、自分のやりたい曲は、アルバムの4、5曲めに差し込むと。
求められているものはそれらしく提供して、やりたいものはスパイスとして入れるのが、ビジネスとして成立してる所以でしょうか。
確かに、求めらているものをきちんと提供して信用を蓄積していけば、
お客さんは「この人の提案だったら試してみたい」という心理になります。
自分が作りたいものだけを並べてるとうまくいかないし、思いっきり人のニーズを外してると、お客さんには受け入れられないかなと思う。
フォトグラファー・カメラマン・写真家の定義ってどう考えてる?
いきなりですが、フォトグラファー、写真家、カメラマンの定義とは?
家族写真を撮る人は?世界中を旅して写真を撮っている人は?
感覚として僕は、
お客さんがいて写真を撮ってあげる=カメラマン
表現として撮ったものを展示会などで披露し販売する=写真家
という感じがします。
書道家、登山家…「家」の文字がつく人にとっては必要ないことかもしれないけれど、
お客さんに対して商売をしている人にはお客さんの求めるものを提供する“課題解決”をしてほしいって思うし、
社会のニーズに答える必要があると思います。
お店の商品を考えるときも同じ。
バーテンダーだってシェフだって、作りたいものだけ作っていても誰も注文しないことだってあります。
だから、自分の店のお客さんが楽しみにきているものは何か?をちゃんと捉えて、その要望に合うものを作らないと、
ものは売れないし、人を幸せにはできないということです。
需要と供給の話であり、自分のやりたいことと求められていることのバランスの話。
今やっていることや、考えている新しいことにも通ずる、今後も続けて話ていきたいテーマです。