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本当はこの週末の三連休のことを、一気に書き上げるぞと思っていたのだけれど、火曜あたりから喉の痛みと鼻水と頭痛がどんどん悪化し、何もできなくなってしまっていた。
おそらく、これがコロナというやつなのか…と思いながらも医者に診てもらいに外出するには気力がなさすぎるので、週頭の二日間はほとんど家で寝ていたのだった。

この間に転職のweb面接も二つあり、タイミング的になんとか受けられる日取りで幸運だったのだが、それにしても喉の違和と無限鼻水が続くのはなんと辛いことだろうか。今は頭痛に関しては完治したけれど、後遺症的にその二つは名残をとどめている。

いつからか、風をひいたり体調を崩してしまった時は、スパイス系のご飯(私はだいたい完全食と信じて止まないタコライスを作る)を食べたり熱い風呂に入ったりして体に負荷をかけた後、長時間寝るという荒療治でなんとかするようになった。風邪のような症状にかかった時は、これで2日位すれば治るのだから人体はすごいと思う。

そんな中でも、昨日はほとんど頭痛は治り体は動かせるようになっていたので、家にいるのも落ち着かず町田の方まで足を伸ばした。気になっていたレコード屋があったのと、この間パートナーと訪れた近所のトレファクが町田の方にもあったので、ちらと覗いてみようと思ったのだった。

気になっていたレコード屋は「Dare Records(デアレコーズ)」。一昨日くらいに幡ヶ谷にあるElla Recordsのインスタグラムで紹介されていて、なんとなくとても印象に残ったので、早速向かってみる。
リール動画のフルバージョンはYouTubeのElla Records公式チャンネルに上がっている。先月くらいからアップされ始めた、街のレコード屋さんを紹介するこの企画。本当に魅力的なお店も多くて素晴らしい試みだと感じているので、これからも目が離せません。ありがとうございます。
他にも下北沢のFLASH Disc RanchにCity Country Cityといった名店や、今回Dare Recordsで直接川口さんから教えていただいたEl Sur Recordsも(!)紹介されている。ぜひ行ってみよう…


シンプルで素敵な扉

駅からは徒歩10分ちょいくらいだっただろうか。雑居ビルの二階に上がるとお店の扉がある。ちょうど真夏日がぶり返したタイミングだったこともあり、店内に入った瞬間の涼しさに心身が癒される。
扉を開けると店主の川口さんがレコードを流しており、私以外には後から一人来たほかにお客さんはいなかった。コンパクトな店内に、DALIのトールボーイスピーカーから流れる大きめの音に心が躍る。
ジャズの棚から一通り目を通してみると、メジャーどころのアーティストも多く取り扱いがありつつもあまり他店では見ないラインナップ、初めてみる名前のコアな作家もちらほらおり、かつ全体的に良心的な価格に抑えられている。ジャズ、ロック、ソウル、日本のポップス・歌謡が中心ではありつつも、フランス、ブラジル、ラテン、アフリカといったワールド系の棚もカテゴライズされており、小さいながらも洗練されていてなんとなく聴いてみたくなる盤がたくさん並んでいる。
悩みに悩んで購入したのは、John Stubblefield『Bushman Song』(enja 1986)と、Quincy Jones『Walking Space』(CTI 1969)。ものすごくユニークな二枚で、いい買い物ができた。特にQuincy Jonesの方の表題曲は、ぶっ飛んだボレロの新解釈という趣があり、テーマ+8小節×10回をひとまとまりとして各パートがソロを展開していくという、聞き応え満載の豪奢な構成。

もう一枚、大変悩んだのだけれども盤面の傷が大きめのノイズを生んでいたので諦めてしまった、すごく魅力的な作品があった。ブラジルのギタリストBola Seteによるライブ盤『Bola Sete At The Monterey Jazz Festival』(Verve 1967)。
Dizzy Gillespieとも一緒にやってたようで、ジャズボッサのような穏やかさもあれば、サンバを高速でやるようなパッション溢れるプレイもこなす凄腕ギタリストだ。下地にジャズがあるからなのかコード感が少し独特で、とても半世紀以上前の響きとは思えないほど現代的なかっこよさがある。初めてみた名前だったけれど、すごく惹かれるプレイヤーに出会うことができた。

店主の川口さんは、多くを語らず、でもとても親切な方という印象で、インスタグラムの盤紹介にあるような、シンプルかつ丁寧な感じがそのお人柄にも表れていた。こんなお店がずっと残るんだなぁとも思ったし、残って欲しいなぁと感じるのだった。音楽好きな方はぜひ一度、行ってみて欲しいです。

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