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連日のはっきりしない雨と転職活動に気が滅入り、いてもたってもいられなくなってきたので例のごとく渋谷に繰り出した。転職活動も旅の準備期間と同じくらい楽しければ良いのに…。

今日はようやっと、Dare Recordsの川口さんに教えてもらったEl Sur Recordsに足を運んだ。
パルコ前の交差点で坂を上がって行き、サンマルクがある向かいのビルの五階にお店はある。エレベーターの扉が開くと薄暗い踊り場のようなところで、海外からやってきたディガーらしき男性が一人佇んでいる。しかしお店らしきものは見当たらない…あれ、ここであってるよな…いや、実はそんなレコード屋は存在しないのか?…だとすると川口さんが言ってたのは…そんでYouTubeで確かに見たと思っていたあのお店は…もしかして町田へ行ったあの日も幻だったのか?…私はいま、たしかに生きているのか……

あらゆることが不安になってきた。

すると踊り場で左右を見渡しながら困惑していた私に、ディガーマンがすかさず「El Sur Records ?」と話しかけてくれて、「Yeah Yeah !!!」と誕生日のキッズのような反応を返すと、どうやら左手の閉まっている扉がお店らしいことが分かり、ディガーは「ここみたいなんだけど…」と言いながら呼び鈴を指さす。ご用の方はこちらを押してください、とメモ書きが。あ、なるほど、平日だし一旦お店閉めてたか、シエスタでもしてたのかな…と思っていたら間も無くして扉が開き、店主の原田さんがオープンしてくれたのだった。よかった、私は確かに生きていた…。

店内は思っていたよりも少し広く、空間にぎっしりと(特に店内中央を占めているCDの棚は圧巻の物量…!)レコードやCDが詰まっている。棚のカテゴリは、ブラジル、ラテン、アフリカ、カリビアン、ハワイ、日本/沖縄…と、確かにこれまでワールドミュージックという名で名指され、微妙にカテゴライズされにくいものとされてきた音楽たちが集められている。

私はブラジルの棚に興味津々という具合だったのだが、特にレコードはラテンが充実していたように思う。Milton NascimentoやEgberto Gismontiといった大御所のLPも並んでおり、全体的に少し高めには感じたけれど、いわゆる古典になりつつある名盤は少しお手頃価格なのかなと思う。
それにしても、CDの網羅ぶりは圧倒的だった。。アジア、中東、アフリカの見たこともない音源たちがひしめき合っている。でも最近出たジャズとか、インディーロックとかも置いてあったり…ここには世界の片隅が集積している。定期的に覗きに来たいお店だった。
Elis Reginaのライブ版を買って、ユニオンへ。かなり素敵なファンクソウル盤が手に入り、心の平穏は保たれたのであった…。

雨の涼しげな天気とじっとり残暑が交互にやってくる期間が意外と長く続いていて、自分のメンタルと天候が連動してるんじゃないかと思えてくる。その昔、とんでもない自信家かとんでもなく純粋な人がこんな風に考えて、自然信仰のスピリチュアリズムを創り上げたのかもしれないな。

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