私の歌詞解釈がちょっぴり独特になった理由
はじめに
今回は趣向を変えまして、私の歌詞解釈物語について書いていこうと思います。
私はこれまでにこのnoteという媒体では小松未歩さんの曲の歌詞解釈をメインに書いてきました。
note以外では20年ほど前に始めたブログがあり、そこでは小松未歩さんはもちろん、Mi-Ke(あるいはB.B.クィーンズ)や宇徳敬子さん、久宝留理子さんの曲の歌詞解釈を書いてきました。
今でも飽きもせずに歌詞解釈という面倒なことをやってるのですが、これまで歌詞解釈という自身の行為にあまり考えを巡らすことなく生きてきました。
まあ別にそんな事考えなくても何の問題もないのですが、たまにはそういうことに考えを巡らせる事も悪くないと考えて自分の振り返りも兼ねて記そうと思います。
そもそもの始まり
思えばブログを始めた20年ほど前。
書くことが楽しいものの書くネタが無いなぁと思いあれこれ探していたら、棚に並ぶCDを目の前にしてそういえば10年以上前のMi-Keのことなんて書いてる人いないよな、と思い最初は懐かしのMi-Ke覚えてますか?みたいな切り口で書こうと思いました。
でもそれだけだと味気ないので私が発売当時のMi-Keの曲でどう思っていたかみたいなのを書くと面白くなるかな?ということでいろいろ書くことにしました。
真夏のマリーナ夜が更けて
恋人たち車停めてHしてる
ハートはドキドキどうしよう
上記の『ブルーライトヨコスカ』でこっちのハートがドキドキした、とか彼の部屋の歯ブラシが1本だったから安心してたけど結局浮気されてる主人公の男を見る目のなさ(『Pink Christmas』)に笑ってしまう、みたいなことを書いたり。
そういうのを書いたり、考えたりしていると自分の中でのブログライフがより一層面白くなってきました。
そこからMi-Keの曲の歌詞を話題の中心に据えるようになり、歌詞紹介という意味合いも込みで歌詞解釈をするようになりました。
私の歌詞解釈はMi-Keのへんてこりんな(身も蓋もない、奥行きがない)歌詞に茶々を入れて遊ぶというのが原点となってます。
Mi-Keからの小松未歩さんへ
Mi-Keの歌詞解釈というブログにおける面白い遊び方を見つけたわけですが、Mi-Keというグループは3年弱しか活動しておらずオリジナル曲も多くなかったので、次なる対象となるアーティストを探すことになります。
そこで目をつけたのが小松未歩さんでした。
当時は7枚目のアルバムが出るちょっと前くらいで、それまで発売されていた6枚のアルバムは所持していたので語れる曲が多いうえにまだ小松未歩さんはしっかり活動中だったのでしばらくは書くネタに困らないだろうという軽いノリで始めました。
ところが……
Mi-Ke のようにツッコめない
という事に気づきました。
Mi-Keの時だと あ〜、夏の海で一目惚れでダメ男に引っかかるって王道すぎる(笑)とか、懲りないなぁ〜、とかカップリングになると人格変わってるなぁ〜などというノリでつらつら書けていたのに、小松未歩さんの曲だとちょっとそのノリだとしっくりこなかったのです。
小松未歩さんの歌詞は解釈を書ききれない
うーん、どうしよう……。
どう書こうか考えていましたが、まとまらない。とりあえず歌詞を打ち込んで(当時はパソコンでブログを書いてました)そこから解釈を打ち込んでいたのですが、なんだかまとまらずに消しては書き直しての繰り返し。でもそんなことをやっているうちに気づきました。
あれ?さっきと180℃違う読みができてる……あれ、その前も分岐させられるぞ?これ主人公のこと?それとも相手?こっちだとそう考えてんだろうけど、あっちルートだと何考えてるんだ?
これ、大変だよ……
Mi-Keの場合は歌詞に含みがなく一本道。主人公も怒って、泣いて、ときめいて、という単純明快さがウリ。そんな歌詞なので書くときはどういう言葉で弄っていけば面白くなるかという方をメインで考えていました。
しかし小松未歩さんの歌詞はそういう一本道のものがあまりないんですよね。
そこで小松未歩さんの歌詞はかなり自由度が高いとはっきりと認識できました。そして人物像やら背景なども含めると解釈が膨大な量になりそれらを全てカバーしきれないな、と思いました。
なので、小松未歩さんの歌詞解釈ではとにかく歌詞を文字通り、言葉通りに受け取りそれを解釈のメインにして、背景や人物像、心理などの周辺情報はその言葉から出る雰囲気でぼんやり書いていこうと考えました。
言葉に忠実に行こう、と。そしてもうひとつ。いくつかの解釈を取れる分岐点に出くわしたら
面白そうな方で解釈!
というルールも課しました。
これはMi-Keの歌詞解釈をしていた時のスタンスで、読んでる方に面白く思ってもらえることを考えて書くとなんだか楽しかったからという単純な理由です。基本的に今でも変わらないルールです。
独特なものになっちゃった……
小松未歩さんの曲の歌詞解釈に関しては、書きながらスタイルが徐々に形成されていったので今になってはぼんやりとした思い出くらいしか語れません。
ただ、この私の歌詞解釈のスタイルがどうやらちょっぴり独特であるようだ、とはっきり自覚した時がありその記憶は割とはっきりしています。
隔月で開催している小松未歩1曲1時間ラジオの第1回が始まる前に一度、ラジオメンバーの品川ミクさんとえいちびぃさんとお話をする機会があり、その際に私の解釈のスタイルがお二人と全然違っていることに気付かされました。
お二人はきちんと歌詞の行間を読まれて、ライター小松未歩の背景を含めた総合的な読み方をされていて、すごい!ちゃんとした方達だ、と感心させられました笑
その後ラジオメンバーも増え、さらにいろんなタイプの解釈のアプローチがあることを知ることになり、ますます私のスタンスが独特なのを自覚させられることとなります。
井の中の蛙、という言葉を実感しました。
私にとっての向き不向き
これまでいろいろな曲の歌詞解釈をしてきた経験上、歌詞解釈をするうえで特定の作詞者との相性というのは存在すると言えます。
私にとっては出発点であり歌詞解釈の型を作ることになった点ではMi-Keに馴染んでいて、その流れで行けば久宝留理子さんの『男』以降の作品とも相性は良いと思います。
小松未歩さんに関しては、どうだろう……。正直なところ曲が多すぎて相性の良い曲、良くない曲が混在してる感じですね。ただ、なんとなく軽めの曲や初期の頃のちょっぴり攻撃性のある主人公の曲は相性が良い気がします。
一方で、基本的に私の歌詞解釈がうまくハマらない作詞はGARNET CROWだと思います。
実は何曲かは歌詞解釈を実際にしているのですが、正直なところGARNET CROWのファンに申し訳なくなるようなものになってしまってます。
これは私の言葉だけを追うスタイルでは、AZUKI七さんの、言葉の向こう側へ世界観を広げてる歌詞を読み取れないからだと思います。
最後に
ここまで私の思い出にお付き合い頂きありがとうございます。
気が向いた時に、という程度ですが20年も歌詞解釈という面倒な趣味をやってきて思うのは、
歌詞解釈は楽しい!
そして他の人の解釈で自分の解釈も膨らみ、
曲の楽しみ方もより立体的になる
ということです。
これは先述した1曲1時間ラジオをするようになってから辿り着いたものです。
書くのも楽しいですが、解釈を話す、聞くというのはまた別の楽しみ方であるとも気づきました。
もしも読者さんでちょっとでも歌詞解釈に興味があるという方がいらっしゃれば、ぜひやってみてください。
別に長々と書かなくても
『通り雨』の主人公て怖い
『哀しい恋』のカフェて満席っぽい
『my darling』今どきダーリンて笑
みたいな呟きでも、実際に書いたり発信するだけでも楽しいと思います。
と、言うことで本日はここまで!
ありがとうございました。