『happy ending』は最初で最後の「ハッピーエンド」
2022年の5月28日。小松未歩さんのサブスク解禁の話題で、ファンは久しぶりに大賑わい。
これまでも小松未歩さん好きの方々がざわつくことは何度かありました。そのうちのひとつに
happy ending
があります。
ベストアルバムの発売が発表され、これまでに発売されたシングルに加え『happy ending』という曲が収録されるという情報も同時に公開されました。
その際、当時ファンが集う場所として機能していたmixiの小松さんのコミュニティでは
嫌な予感…
的な声が上がっていました。
小松未歩さんがシンガーソングライターとしてのエンディングを宣言してる曲なのではないか、ということですね。
その予感は現時点では的中した形で15年以上経ってしまっています。
今回は、現状最後の曲という存在の仕方をしている『happy ending』において、小松さんが描いたハッピーエンドとはなにか?そして過去に描いていたハッピーエンドとを比較してみよう、というテーマです。
『happy ending』におけるハッピーエンド
そもそも『happy ending』て何を歌っているのかといえば…
結婚生活
です。
少なくとも婚約中。新婚真っ只中な感じですね。
正直なところこの題材をして、何か特別な感じはありません。
2ndアルバムの1曲目『未来』や3rdアルバムの『BEAUTIFUL LIFE』そして8thアルバムに収録されているシングル『あなた色』も曲のテーマとしては『happy ending』とそう変わりはありません。
ただ『happy ending』にはこれまでの小松未歩曲にはあまり見られなかった表現があります。
限りある未来
これは個人的にはかなり印象的です。
『未来』には「永遠に続くこの道を歩こう」とあります。『BEAUTIFUL LIFE』においても未来は先が見えないもの、終着点が見えていないものとして描かれています。
また、限りある未来においても
かけがえない絆に見守られて
穏やかな人生だったと ふり返れたらいいな
とそれなりの将来像、イメージが付随しています。そしてこれが「ハッピーエンド」であると。
私はここに小松さんの変化を見た気がするのです。
10年先も変わらずに〜 なわけない「ハッピーエンド」
『happy ending』は現状小松未歩さんの最後の曲ですが、それに対して小松さんが最初に作った曲は『おとぎ話』とされています。
そんな『おとぎ話』にはこんな歌詞があります。
Happy end
ハッピーエンド。
単なる偶然でしょうが『おとぎ話』で小松未歩さん好きになった私としては、嬉しい発見ではあります。
そんな「ハッピーエンド」という歌詞ですが、ざっと調べた限りでは3rdアルバムの『sickness』とシングル『Love gone』のカップリング曲である『これ以外の愛は永遠に続く』に出てきます。
『sickness』の「ハッピーエンド」は週末のデートは上手くいく!という程度の短期的かつお気楽なものです。
『おとぎ話』と『これ以外の愛は永遠に続く』の「ハッピーエンド」は共に「おとぎ話なら」や「生まれ変わった」という現実から分離しワープして降り立った境地という、もはや妄想であり、ある意味で何がハッピーエンドなのかがよく解からない感じがします。
一方で『happy ending』の「ハッピーエンド」も妄想といえばそうかもしれませんが、現状を出発点としてそこから延長して伸びた途切れずに続いた道の末の最終着地点といった感じ。地続きな想像であり行く末がちゃんと見えているのです。
この、見えている、ものが歌詞(ある意味で可視)化されているというのは小松未歩さんがシンガーソングライターとして歩んだ10年において最初で最後のものなのではないか。最後と決めたからこういう歌詞を書いたのではないか。そう思ったりしますが、どうなのでしょうか?
最後に…
小松未歩さんのサブスク解禁。それを機に小松未歩さんの曲に初めて触れたという方も少なくないと思います。
そういう人からしたら『happy ending』は100を超える小松さんの曲の1つ、というある意味で非常にフラットな観点から聴ける状態にあるわけです。
そういう人には『happy ending』はどう聴こえるのか。とても興味があります。
こればかりはリアルタイムで追いかけてしまった私には体験したくてもできないことですから。
もし小松未歩さんの曲を聴き始めたばかりで『happy ending』を聴かれた方がいらしたら感想を聞かせてください。よろしくおねがいします。
ということで今回の記事はここまでです。私は今書いたものを元に、来週22日の22時22分から品川ミクさん主催のスペースでお喋りします。
うまくかけなかったところも補足もするつもりです。よろしければお付き合いください。