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主人公って子供?小松未歩さんの『Holding,holding on』

気づけばもう11月も後半。冬がそこまで来ています。
少し早いような気もしますが、みなさん今年はどんな年でしたか?私はとても楽しい1年でした。

 隔月開催の小松未歩さんの曲で語り合う一曲1時間ラジオ企画において、1年のうちに『一万メートルの景色』とか『通り雨』でわいわい喋ることができるとは思ってもいませんでした。
 そんな2024年。このノートで締めとして語る曲は『Holding,holding on』です。
 小松未歩さんの3rdアルバムに収録されている、元気が出るような雰囲気の曲。はてさて、どんな歌詞なのでしょうかね〜
 と、言う事で花の砂時計的『Holding,holding on』解釈の始まりです!

「君」はそれで良いのか?

 さて……。
正直に言いますと、この曲に関しては歌詞を眺めるだけだとどんな話なのかさっぱりわかりません……
 主人公の「私」から見た世界なのは間違いないのですが、そこに付随する感情が薄いというか過度に感情が乗らないようにしているというか。
 小松未歩さんの歌詞はもともと感情が強くでないというか処理済みの感情を言葉にしていることが多いのですが、それとはまた違ったあまり感情を表出しない感じの歌詞かな?と思います。
 しかし、主人公の感情というか表情は見えにくいものの気持ちは出ている感じはします

・超えて行ける 君なら この世界 牛耳れる
・在り来たりじゃ足りない 込み上げる想い 届け
・グラス交わして さぁ乾杯しょう 未来に
・信じていた道なら 走り続けて欲しい
・触れ合った時の あの感じが堪らない
・ここから just keep on running blind

で、これらの気持ちはだいたい「君」へと向けられています。励まし、元気づけるような言葉たちだと思います。
 「私」と「君」は良い関係ですね。
 ところがこの二人、置かれている状況はとても対照的です。
 主人公は
 誰より幸せな 私が此処に居る 
と言っている一方で「君」はというと……
 膝ガクガク プレッシャーに毎日 支配されてるこの差たるや、なかなかなものです。

 そうなると、主人公の言葉は「君」にどう響いているのだろうか?というのが気になります。
 歌詞の中では「君」の気持ちは測れません。ただもしかしたら……

「君」が支配されている毎日のプレッシャーの中に「私」も含まれていませんか?

と思ってしまうのです。

 君は 君の最大の敵でもあると知ってる
 栄華と衰退は 制御不可能だけど

という歌詞。
 なかなか独特ですが、ここから「君」という人は「栄華」な時にはそこからの転落。「衰退」の時にはさらなる凋落を想像してしまうような人なのかな?とは推察されます。
 「君」がそういう人の場合、先に・で挙げた6つの歌詞(言葉)がさらなる圧力にもなってても不思議ではないと思います。そうなったら二人の関係は怪しくなっていきそうだな、と。
 キラキラポジティブな主人公には「君」とはずっと幸せな関係でいて欲しいと思います。思っていますが……
 どうでしょうかね……

子供なのは……

 この『Holding,holding on』という曲は小松未歩さんの3rdアルバムに収録されています。
 発売は2000年の2月。24年前です。当然私はその時から24歳分大人になりました。
 なので発売当時にこの曲に抱いた感想と今とでは変わってしまってると思います。
 正直に言うと今の私は主人公に「幼い寄りの若さ」を感じていて「君」とうまく折り合いをつける術をまだ持ち合わせていないように映ります。

神様って子供?

と主人公がツッコんでいますが、個人的には

主人公って子供?

と思ってしまうわけです。
 当然「私」と「君」があらゆるものを乗り越えて一緒に大人に、家族になるストーリーもあり得ると思います。
 でも「私」と「君」の置かれている状況の差を乗り切るにはお互いに青い気がします。
 誰も悪くないんですがね。
 そしてもうひとつ、個人的に一番印象的な歌詞が

 身ぐるみ剥がされたって ハートは熱いから

なかなかですよね~。若い!
 プレッシャーに支配されている「君」のプレッシャーを軽くしたい、寄り添いたいという気持ちはあるんでしょうが、その方法が自分のハートの熱さを語るというのは、若さのなせる技かな、と。
 意地悪な言い方をすればちょっと未熟かな、とおじいさん寄りなおっさんである私からしたらそう映りますが、これはまあ、難癖ですかね苦笑

最後に

 この『Holding,holding on』というタイトルは曲中の歌詞には全くでてきません。
 辞書では、維持する、堅持する、などのわりと幅広い意味があるのですがその中に

 踏みとどまる、持ち堪える

というのもあります。
 その現在進行形というところを考慮すると、この曲のタイトルは、今が踏ん張りどころ、みたいな意味になりそうです。
 「君」への熱いメッセージですよね。
 そして同時に主人公は主人公で二人の未来にとっても「正念場」という意識がありそれを含めての『Holding,holding on』というタイトルなのかな?と思ったりします。

 ということで、今回の歌詞解釈はここまでとさせていただきます。また次回お会いしましょう!

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