どうしてどうして言うのは、私がその事実を知らないから。小松未歩さんの『I don't know the truth』
10月に入りました。
暑かった夏もようやく終わったといったところでしょうか。
そんな秋の夜長にのんびりと小松未歩さんの曲の歌詞であれこれと書いていくわけですが、今回の題材は
I don't know the truth
小松未歩さんの4枚目のアルバムに収録されている、ファンの間では結構な人気曲。
同じアルバムに収録されているシングル曲『Love gone』とともに4thアルバムの雰囲気を司る核となるような曲です。そんな存在感の大きな曲なのでいつもより気合が入ります!
では早速行ってみましょう!
主人公はとても自分勝手です!
この曲に関してはひたすら主人公が語りまくってます。
相手の「君」は確かに存在してるけど正直なところこの時点ではもう「君」なんていなくても成り立っているというか、主人公がもう結論付けて君との関係を終わらせにかかっている物語というか。
心は決まっているのであとは無言のうちに君から去っていくのかな?という感じがします。
ただ主人公はあれやこれやと言って結論付けているけど相手の言い分は全くなし。君の言い分はこちらには見えません。しかも歌詞を見る限り
主人公は君のことをひとつも分かっていない!
これは実に恐ろしいことです。
下の歌詞が顕著な例ですが
・どうしてそんなにやさしいことばくれるの
・どうして強く責め立てようとはしないの
という疑問。これが全く解決してません。
君は主人公によって夢を壊されかけて、主人公を信じることが苦しい状況なのに優しい態度を示す。主人公にとってはそれが疑問でしかないのに、どうして?とわからないご様子。
なのにその疑問は完全にスルーしてしまい、自分が酷い態度をとっているから君は嫌になって他の人を好きになっても仕方ないし、こんな私にあなたを責める権利なんてないよねという具合に話を持っていきます。
他にも主人公には負い目があります。
・ひとつ伝えてない事実があるの
・でも裏切ってた 自分だけ守った
とのこと。
なので君が私を嫌になるのは当然よね、という風に話を展開していきます。
確かに酷い主人公です(苦笑)し、嫌われて当然と思います。でもそんな主人公に対して君は「優しい言葉」をかけているんです。
なぜ?
タイトルは I don't know the truth
主人公にとっては理解できない君の行動ですが、逆に言えば君は主人公がそういう行動をとることを受け入れるだけの理解があった。そういう可能性があります。その鍵となるのが
伝えてない事実
です。
この事実、君は知っていたんじゃないか。私はそう思ってます。
主人公は怖くて伝えられなかった事実をその心情込みで君が知っていたから主人公の一見酷い言動に対しても理解した上で寄り添えたのではないか。夢を壊されかけても優しい言葉をかけられたのはそういう背景があったからこそ、そう思うのです。
しかしそんなこと、主人公からしたら
I don't know the truth(その事実を私は知らない)
わけです。
伝えてない=君は知らない、という主人公の思い込みと事実とその事実を知られるのを主人公が恐れているのも知っているからその事実を伝えられない君。
事実を知って寄り添おうとする君と「伝えてない事実を君が知っている」という事実を知らない主人公によるなんとも悲しいすれ違い。
それがこの曲に描かれているお話なの手はないでしょうか。
最後に
今回はこの『I don't know the truth』の歌詞解釈をしていきましたが、この記事をベースに10月31日にXのスペースで開催される小松未歩1曲1時間ラジオで語っていきます。
この曲に関しては歌詞からストーリーを紡ぎ出す小説タイプの解釈が活きるように思います。
なので正直なところ屁理屈で茶々を入れるタイプの私にはちょっと不向きな題材ですが、他のメンバーが各々の解釈に多彩に色付けして楽しい会になると思いますので、是非お聴きください。
それではまたの機会にお会いしましょう〜