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宇徳敬子さんの感字と読み


2023年から2024年にかけて、宇徳敬子さんはソロデビュー30年という節目を迎えてライブはもちろん、テレビなどのメディアへの出演もこれまでにないほど活発にされていました。

 そんな宇徳さんはこれまでにたくさんの曲を作り、作詞もされてこられました。
 宇徳さんというと歌唱力はもちろんその歌声も魅力なのですが、同時に歌詞もなかなかに個性的です。今回はそんな宇徳さんの歌詞にスポットを当てて語ります。

言われれば読めるけど……

 宇徳さんの歌詞は感情はあまり強く出さないタイプです。
 わ〜、と喜んでいる姿や怒ってプンプンしてる姿は想像できません。
 宇徳さんの歌声も相まって耳にするりと入ってくる歌詞で、あまり聞き間違いも起きない一聴すると自然なものです。しかし、文字で歌詞を追うとわりととんでもないものがあります。
 まずは、まあ実際はそう読まないけどルビを振って読む分にはそこまでは違和感がないものを挙げていきます。
 左側が歌詞における表記、()内が読みです。

 過去 (きのう) 現在 (いま) 未来 (あすorあした)
 時間 時刻 時空 (とき)
 両親 (おや) 孤独 (ひとり) 周囲 (みんな) 環境 (まわり)
 心象 (ココロ) ゆうべの話 (ゆうべのこと)
 夢想 幻想 希望 (ゆめorユメ)
 自分 (わたし) 内 (なか) 歓喜 (ヨロコビ)
 言う気 (ゆうき) 方向 (さき) 情報 (はなし)
 都会 景色 (まち) 社会 (そとorまち) 

ざっくりこんなところでしょうか?
 実はこれで6割です。今回は宇徳敬子さんの1〜4枚目のアルバム、コンプリートベスト、セルフカバーアルバムの6つで調べました。
 ざっと抜き出したのですが、普通の読み方をしない言葉が40ありました。正直なところこんなにあるとは思いませんでした。

気持ちで読めばなんとか……

 では今度はちょっと難度の高めなものを上げていきます。

 現象 (かたち) 現実 (ものorかたち) 価値 (いみ) 象徴 (あかし)
 感情 (きもち) 「限定」いく (きめていく) あいまいの関係 (あいまいのまま)
 自慢気 (とくいげ)

私は無理でしたけど、宇徳さんの気持ちを読み取れる方ならばさらりと読めたりするのかな?と思いますがどうでしょうか?

宇徳度100%全開ワード

 ここからはもう、宇徳さんの世界でしか通用しない読みです。

 真実 (ほんとorほんとうorよろこび)
 愛 (それorしんじつ)
 裸 (ゼロ)
 言葉 (メロディー)
 旅人 (あのひと)
 星 (なみだ)
 行動 (スケジュール)

当然歌詞の世界においては違和感がない表現だったりするのですが……。裸でゼロは流石に無理です……。

その時の言葉が大事!

さて、ここまで39/40の言葉を挙げました。残り一つですが、こちらは難読ではありません。
 宇徳さんの歌詞におけるスタンスを示していそうだと思ったので最後に紹介することにしました。
 それがこちらです。

 言魂 (ことば)

宇徳さんの感字としては容易な部類です。
 こちらは読み方ではなく出現の仕方が独特なのです。
 この歌詞は『Realize』に出てきます。この曲は1999年発売のシングルなのですが、シングルの歌詞には存在しません。「言葉」と書いてことば読みです。
 しかし2006年の4thアルバムに収録されている『Realize』には先に挙げた「言魂(ことば)」が出てきます。
 ところがその後2011年に発売されたコンプリートベストではシングルと同じく「言葉」でことば、となっています。
 これは恐らく4thアルバム制作中に何か思うことがあり歌詞を「言魂」と変えたのではないかと思います。
 宇徳さんは自身の変化とともに歌う歌詞もマイナーチェンジして今の自分を表したいと思っているのかな?と思ったりしますがどうでしょうか?

 と、言うことで今回宇徳敬子さんの歌詞における字と読みに注目してみました。
 私としては面白い発見もありより一層宇徳さんの歌詞に興味が湧きました。
 宇徳さん好きな方は他にもあると思うので探してみてはいかがでしょうか?
 それではまた、次回お会いしましょう!




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