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小松未歩さんの『alive』と『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』を一つの世界にしてみる

 前回は小松未歩さんの『alive』と『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』において共通して出てくる「地図」が同じような意味合いのものとして書かれている。そして同時にこの2つの曲は同じ世界線にあるのではないか?というようなことを書きました。

 今回は多少無理やりですが、この2つの曲を『alive』は女性側『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』は男性側から見た二人の世界の話として見ていこうと思います。

『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』の歌詞から見ていきます。冒頭で相手に関して以下のように言ってます

 鎖に繋がれ 歩き出す君を 飲み込むくらい 多忙な都会は流れてる

と。一方で君、つまり『alive』の主人公はどういう状態なのか。『alive』には以下のような歌詞が並びます。

 押し殺したこの気持ちは 一体何処に行くの? 

帳じり合わせるだけじゃ 答え出せない

心通わぬビルの森 ゆがんだ自分の影に泣きたくなる

と何かに縛られ、飲み込まれてます。しかも都会に。女性側の状況、心理は男の側にも伝わってます。

 そんななかで男の側はこんなことを言います。

暗闇を抜けて 人並みの暮らしを 手に入れたって ただ抜け殻になるだけだろう

また同時に

投げ捨てられた夢が 転がってる足元が見えたら 地図にない町へ旅立とう たとえそれが無茶だとしても

旅への誘いです。それに対する『alive』における歌詞が非常に面白いです。

毎日楽しく暮らしても かなわぬ未来じゃ つまらない

と言います。まず、かなわぬ未来は、言いかえれば「かなわない夢=捨てた夢」なわけです。

 人並みに楽しく暮らしてても、かつて抱いてた夢を捨てていて、それが心のどこかに引っかかりとして残って、足元に影を落としてる。『alive』の主人公はその状態が「つまらない」。そして『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』の主人公である男も、足元に夢が転がっている中で生活をするのは嫌なわけです。だから、旅へと誘うのです。そして女性側の答えは

今日という日の地図を そっと開いて 限りない明日へと進める場所へ急ごう

当然のYES回答。そうなると話は早いです。男の側がまたいかしてます。

すべてを捨て飛び出そう 今度こそ行こう二人で Run away

いやー、話が繋がること。切り抜きとはいえ、こうも話が繋がってくれると楽しいです。そして

錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう 乾いた夕暮れに微笑み選ぼう

です。まあ、これだけだと意味はわかりませんが『alive』の歌詞で補助するとちょっと面白くなります。太字が『alive』の歌詞です。

 (見て見ないふりするのは)止めて、現状を打破して(悩んでることなど いつでも笑い飛ば)そう

と『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』のサビとシンクロしてくれます。正直なところ「錆びついたマシンガン」がどれほどのものなのかはわかりませんが、そのマシンガンの威力を決めるのは

互いの存在

ですね。絆の強さが、マシンガンの強さになる。『alive』では

あなたの住むこの地球を感じて 初めて思った 誰かの為になりたい

そして『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』でいえば

 出逢えた奇跡の この確率を大事にしたい

この思いの強さが、マシンガンを強くしてくれるのだと思います。直接は言ってませんが『alive』の主人公も「出逢えた奇跡」は意識してそうですよね。あなたの住むこの地球に生まれて、という大きな歌詞を見るとそう思わずにはいられません。そして最後『alive』の歌詞が締めてくれます。

あなたの住むこの地球を旅して ただそんなことで この先も生きて行ける

二人で強く生きてください!それしか言えません。

 ということで『alive』と『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』とをくっつけてみましたが、いかがだったでしょうか?思ったよりもお互いの歌詞で行き来できて、個人的にはちょっとびっくりしました。

 ただ、あくまでこんな見方ができました、という話なので気楽に受け取ってもらえると助かります。

 今回は2つの曲を同時に語るという変則的な形になりましたが、次回からはまた1つの曲を語ることにします。

 次回は小松未歩さんの1stアルバムの8曲目『青い空に出逢えた』です。

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