ちょこちょこ書くかもしれない日記(TAKE THAT)
父が放置していった山のような案件のうち、東京まで出向かないとらちのあかないものがあり、これまでも何度か上京してきたのだが、交通費その他でとても気が滅入る。
途中から、どうせなら自分の楽しい用事と抱き合わせにすればよいのだと気づいたものの、猫たちが心配だし、宿代の高騰も厳しいしで、日帰りという枷があった。
でも。今回は違う。
何十年もの推しが来日するのだ。しかも、ワールドツアーの締めくくりに。
新幹線の終電を気にしながらコンサートを楽しめるかー! というわけで、猫たちにはこんこんと言い含め、体調面の不安を気にしないふりをして出かけた。
正直、宿をとっていなかったら相当ヤバかったなという感じのボロボロ具合ではあるし、仕事も滞っているのになんたる出費、なんたる時間の浪費か、というのはそのとおりなのだが、行ってよかった。
たいがい擦り切れていた心がめちゃくちゃ洗濯された。
彼らにしてはとても簡素でシンプルな構成だったのだけれど、それがかえってよかった。
なにより、おばあちゃん手縫いのロンスカを穿いて亀を愛でていた頃から大好きだったハワードが、目の前で歌って、あのしなやかなダンスを見せてくれていたのである。
それだけでもう十分。一生の記念である。
アンコールがないのも、かえって潔くてよかった。
お隣は2席、空いたままだった。何かの理由で来られなかったんだろう。おかげでゆったり過ごせたけれど、残念だっただろうな。
定宿に一泊できたのもよかった。
久し振りに、静かなひとりの時間が持てた。
今週ギュギュッと冗談みたいに詰まったややこしい家と親の用事を、頭の中でソートし、落ち着くことができた気がする。
こういう機会、本当に必要なんだな。
帰ったら何一つ片付いていない現実とご対面なわけだけれど、それでも。
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