ちょいちょい書くかもしれない日記(クリスマスの支度)
実家を手放して1日。
朝起きて、天井にぶらさげたポーランドのペーパークラフトを見上げながら、「ああ、これで私は泣いて帰る場所を失ったのだな」とぼんやり思った。
実際にそんなことをした覚えはないが、心情的な話である。
「ねえねえおかあさん、聞いてよー!」と言いながら入れる家を失った、と言えばより正確だろうか。
実家も「もはや生きていくのに必須ではないが、なくなると急に寂しく心細くなる」アイテムのひとつだったのだな、としみじみ感じている。
誰だって、寄りかかれるもの、心を寄せられるものは多いほうがいい。たぶん。
まあ、感傷はともかく、実家から最後に持ち帰ったそれなりに大量の物品が玄関まわりに積み上がっているので、これもこつこつ消費していかねば。
幸いなのは、すべて日常生活で無理なく使えるものだということだ。無理なのはその圧倒的な質量だけ。
クリスマスの客人たちを段ボールデコレーションでお迎えしてしまうが、いつもの人たちなのでご容赦願うことにする。
とりあえず掃除をして、新入り猫も落ち着いてきたことだし、クリスマスツリーを出してみることにした。
万が一じゃれつくようなら、そして2度3度叱ってもやめないようなら(我が家の女子猫たちは賢く、そして強情だ)、ツリーには今年はお休みしていただこう。
駅に客人たちを迎えに行く前に、スーパーマーケットで予約していた丸鶏と、翌日のサンドイッチ用の食パンを受け取り、残りの食材を買い込んだ。
丸鶏は、ブライン液に浸けておく。
馴染みの客人たちを、猫たちはそれぞれのスタイルで歓迎している。
新入り猫だけが警戒して距離を取っているが、それは他の猫たちも通ってきた道なので、まあおいおい慣れてくれればいい。
幸い、逃げ場所となる部屋はいくつかあるので、あまり心配はしていない。
みんなが寝た深夜、新入り猫がおずおずと仕事部屋に戻ってきた。
大丈夫だよ、と言い聞かせて一緒に寝ることにする。
幸い、警戒はしているものの、怯えた様子はさほどない。よかった。