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ちょいちょい書くかもしれない日記(餃子)

月イチのマッサージに朝から行った。
いつも同じ施術者を指名しているので、もうすっかりお馴染みだ。
「1ヶ月が早すぎる!」という感慨が、共通の挨拶になっている。
マッサージの間、色んな世間話をするが、今日は高校生の娘さんにアニメイトに初めて連れていかれた話を聞いた。
娘さんは今、どんなアニメがお好きなんですかと訊ねたら、ハガレンとNARUTOだという。
え、今の高校生、えらい渋い好みだな。
「どんなアニメかよく知らないけど、見て大丈夫なやつですかね?」と問われたので、どちらも名作ですよとお伝えした。
グッズのブラインド販売は、本当に罪深いですよね、という話も出た。
バラで売ってくれたら、推しを得るための金額はもっと少なくて済むし、それを他のことに使うことができるのにね、と。
商売にはいろいろ事情があるのだろうが、私もブラインド販売にはあまりいい印象がない。
何が嫌って、推しでないキャラクターたちの多くは決して嫌いではないのに、開けて出てきた瞬間、ほしくなかったもの、ガッカリの対象と感じてしまうのがしんどい。
そういうヒリヒリ感を、もっとライトに楽しめる人もいるのだろうな。

買い物をして帰宅したら、ちょうど宅配の人が来ていた。
冷凍だ。なんか頼んだっけ?
開けてみたら、大量の餃子が出てきた。しかもひとつがでっかい。
間違いなく、私がいつも頼む餃子ではない。
これは……いったい……?
同封された書類を見ると、なんと私が1年以上前に注文した、とあるお店の餃子だった。
やっと順番が巡ってきた模様。
貴重なものなのだな、という気持ちと、なんでこれ頼んだんだっけ、という気持ちが同時にやってきた。
しばらく考えて、「あ」と思い出した。
私がタブレットで読んでいたマンガの中で、主人公が食べていたその店の餃子を、父が「うまそやな」と言ったのだ。
そうだ。それで、食べさせてやろうと思ってすぐ注文したけれど、どうやら地元では凄い人気店らしく、待ち時間がそんなに長くなった。
その間に、「うまそやな」と言った本人は死んでしまった。
「久し振りに餃子もいいわねえ」と相づちを打った母は、なまものが差し入れできない施設に入ってしまった。
今日は色々あって本当に心が弱っているので、そんなしょーもないことでとても寂しく悲しくなって、べそべそ泣いた。
「○年待ちの大人気商品!」とお店の本心はともかくメディアは面白そうに書き立てるけれど、待つことができた、というただそれだけのことがどれほどの僥倖であることか。
とか言っていても餃子は減らないので、さっそく焼いてみた。
なんだこれ旨い。
市販の餃子は、たいてい肉汁と言う名の油分が多すぎて閉口するのだが、これは肉の比率が多いのに、その嫌な脂っこさがない。
ニンニクも使っていないので、味にぐいぐい押してくるところがなくて、全方位とても優しい。
うまーい。これは、両親も気に入っただろうな。
「大きいな~!」って驚いただろうな。
母は、食べにくいと文句を言ったかもしれない。たぶん言ったと思う。
結局、またしてもボタボタ泣きながら食べた。

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椹野道流
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