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ちょいちょい書くかもしれない日記(忘れ物)

朝、猫の世話からシームレスに、中力粉をぬるま湯で捏ね、やわらかめの生地にした。
濡れ布巾をかけて、そのまんま昼まで寝かせておいて、扱いやすく滑らかになったところで引きちぎり、薄く伸ばして、ひっつみを作った。
おつゆは醤油味で、いわゆる鍋野菜と茸の類をどかどか入れた。
かつて仕事で岩手に長くいたとき、お世話になった婆さんに習ったやつだ。
婆さんは鶏肉一択だったが、今日は豚ロースの薄切りがあったので、それを小さく切って入れた。
ひっつみには色んな流儀があるそうだ。婆さんは汁が濁るのを嫌がり、先に茹でてから汁に投入する派だった。ゆえに、弟子の私も同じようにしている。
私はたいていのことには不器用なくせに、ひっつみの生地を大きく薄く伸ばすことがわりに上手くて、婆さんを驚かせた。
久し振りに作ってみて、腕が錆び付いていないことを確認できたのは嬉しい。
一椀で食事が完結する、しみじみと美味しい食べ物だ。
しばらくは食べ続けることになる。

夕方、そぼろごはんのお弁当を作って客人に持たせ、駅まで送った。
週末が終わってしまうことにションボリしていたが、こればかりはどうしようもない。
猫たちは、たくさん遊んでもらったので、満足してまったりしている。
新入り猫は、とうとう客人に寄り付きもしなかった。
まあ、家に入ってまだ3ヶ月だ。気長にいこう。
客人から逃げ回る者どうし、ママと新入り猫の距離がぐぐっと近づき、一緒に寝るようになったのはとてもよかった。思わぬ収穫である。

帰り道、まだ道路が混む時間帯でもないのに、車が進まんなあ……と思ったら、前の方に、マントをガッチャマンみたいなシルエットにして自転車を漕ぐお姉さんがいた。
なるほど。豪快にはためくマントの端っこを引っかけようものなら、お姉さんも自動車の運転手も人生が詰む。
道幅が狭いので、誰も自転車をやり過ごせずに、みんな徐行で後に続くしかなかったわけか……。
ご本人はその危険性に気づいていないし、この先も気づかないんだろう。
そういう致命的な危うさ、誰にでも思わぬところにあるんだろうなと思いながら帰宅。

猫に夕飯を出していたら突然、昨年の固定電話とスマホの使用料金を、税理士さんに渡し忘れていることに気づいた。
慌てて打ち出して、必要な部分をスキャンしてメールで送った。
スキャナーを買っておいてよかった。本当に便利。
明日見てほしいと思ったのに、返事はすぐにあった。
やはりこの時期、税理士さんは休みなく働いておられるのだな……。
もう何も忘れていないといいのだが!

夕飯は当然ひっつみを食べた。
なめこを追加したので、なお美味しい。
そして、待ち焦がれていたゴミバケツの蓋が届いた!
バックルだけを交換するより、蓋ごと交換のほうがずっと簡単だ。
これで明日の朝、安心してゴミを出すことができる。
こういう生活の中の小さな喜びって、実は意外と大きなことだと思う。

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椹野道流
こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。