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ちょいちょい書くかもしれない日記(帰ってきた ミスを誘う女)
今日は、本当は朝から母のリハビリ見学に行く予定だった。
でも、どうやらダブルブッキングが発覚したらしく、午後にしてくれないかとのこと。
別に構わないが、既に車で山を下りていたので、駅前に行くことにした。
昨日、母が一生懸命書いてくれた委任状を持って、今度は三度目の郵便局に。
母の定期預金口座の住所変更はできたが、母が通帳を紛失して久しい総合口座のほうの手順が煩雑で、私ひとりではどうにもならなかったのだ。
母の委任状、証券会社の人は、私が偽造したに違いないと思ったらしいが(しつこいが本当に一生忘れないと思う)、郵便局の人は、「これお母さん頑張って書いてくれはったんですねえ」と言ってくれた。
でしょう? 欄内におさめる努力、凄かったんですよ。
そんなことを言いながら、さくさくと手続き。
今回はスムーズにことが運び、新しい通帳は2週間以内に郵送されてくるとのこと。
安堵してお礼を言って郵便局を出て、いつものカレーなど食べていると、電話が鳴った。
さっきあとにしたばかりの郵便局からだ。もう嫌な予感しかしない。
とはいえ、出ないわけにもいかないので通話ボタンを押したら、やはり手続きをひとつ忘れていたとのこと。
まだ駅前にいるので用事が終わったら行きます、と言ったら先方はホッとしておられた。
そりゃそうだ。「これで手続きはすべて終わりました! すべて揃って完璧です」なんて言った相手に「やっぱ戻ってきて。忘れてたことがある」なんて言うのは、そりゃもう勇気が要っただろう。
彼が忘れていたことは、1分で終わるような単純極まりない作業だったが、そこは郵便局。融通のきかなさが信用に直結する組織である。仕方ない。
またポケットティッシュを貰った。
郵便局は、どうしても私に紙を与えたいようだ。
今度こそ大丈夫だと信じたい。
午後からは、仕切り直しでリハビリ見学。
どうも、歩行器を使うときの身体の傾きと、母の足首の変形の相性が悪く、とても不安定になって、不安感が強くなるようだ。
このあたり改善が可能かどうか、何度かリハビリを経て判断する模様。
母を施設に連れ帰り、今日も少しだけ話をした。
そのときに、今日の郵便局の手続きがたぶん上手くいったことと、一応、言わないわけにもいかないので、先日の証券会社の話をした。
せっかく母に大汗をかいて書類を書いてもらったけれど、私が勝手に、わざとへたくそに書いたと疑われて受理してもらえなくて、今度、母と直接面会をしたいんだってさ、と。
そうしたら珍しく母がシャンと背筋を伸ばして、失礼な、と言った。
自分の字がへたくそと言われたこと、そして自分の努力を無にされたことを怒っているのかと思ったら、「これだけ私のために奔走している娘になんて失礼なことを。私が信頼する娘を信頼しない人に会う必要なんか、ありません」ときっぱり言った。
びっくりしてのけぞってしまった。
母だ。私が知っている母がいる。
調子がよさそうだなと思ったら、本当にそうだったらしい。
まあ、5分も経たずに、母はそんな風に怒ったことなんて忘れてしまったわけだが、それでも私は単純だから、とても嬉しかった。
たとえ一瞬でも、母がそんな風に思ってくれたなら、他人がどう思おうと私は満足だ。
でも、証券会社のことは当分放っておくつもり。
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