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ちょいちょい書くかもしれない日記(市役所)

銀行は早い時間に受付が終わり、一方、市役所には昼休みがある。
その案配を考えながら、書類をもらいにいく順番を決める。
間に、ちょっといいとんかつ屋を挟んだりもする。
辛気くさい事務作業には、ご褒美が必要なのだ。セルフでこまめに与えていく方針。

地元市役所の窓口のおじさんは、とても人当たりがよく親切だった。
「こていしさんぜい……ひょうかしょうめいしょ、が、ほしいんです、あ、去年のやつが」を、メモを見ながらあからさまにたどたどしく口走った瞬間、私のことをド素人相続人であると察してくれたのだろう。
ほとんど、手袋を買いに来た小狐状態である。
何くれとなく助け船を出してもらって、どうにかなった。
父が死んで以来、いつも免許証と印鑑証明と戸籍謄本を持ち歩く癖がついていて、今回もそれで助かった。
「慣れないことが続きますもんね。あんまり焦らずに頑張ってくださいねぇ。こういうのも全部ひっくるめて供養ですからねぇ」と優しく言われて、ちょっと泣きそうだった。
いつも、こんな各ジャンルの素人市民の相手をしてこられたのだろう。
その根気強さと親切さ、プライスレス。
今の地元に住んでいてよかったなあ、とすら思う。

銀行の人たちも、とても親切だ。
でも、当たり前だができないことはできないので、「ここまではうちで処理できますが、根本的な解決には、口座を作った支店に行ってもらわないと」という事案がちょこちょこ発生する。
我が家は引っ越しばかりしていたので、それぞれの地に父の口座があった。
ええ加減にせえよ。モズのハヤニエやないかい。
おかげで近いうちに、自分の半生を辿るみたいな旅をしなくてはならないようだ。
各口座の残高がたいへんささやかなのが、余計に苛つく。
ドンと来んかい。
でもまあ、この手の手続きで、いつも行かない場所へ行くときには、極力、車を避けて公共交通機関と自分の足を使うことにした。
その場所の空気を感じて、人や店や街並みを見ながら歩く。楽しい。
いつかきっと、そうして得た情報が仕事に生きる。いや、意地でも生かす。

御褒美急急如律令

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椹野道流
こんなご時世なのでお気遣いなく、気楽に楽しんでいってください。でも、もしいただけてしまった場合は、猫と私のおやつが増えます。