ちょいちょい書くかもしれない日記(親切な人)
夜、実家から持ち帰った書類的なものの中から、近い将来に必要になりそうなものを捜索していたら、ずいぶん遅い時刻になってしまっていた。
おかげで今朝は、猫の世話のために起き出したものの動きがゾンビのようだったし、頭も割れそうに痛い。
結局、ひととおりやることをやったあとはベッドに潜り込み、長男猫に見守られつつ泥のように二度寝する羽目になった。
幸い、昼過ぎにはどうにか起き出して、一日の予定を遅ればせながら始めることができた。
とはいえ何をするのもダルダルなので、保存食のつもりで買ってあったカップ入りの鮭茶漬けをひとつ食べて、昼ご飯とした。
ローリングストックどころか、ストックすべきものを右から左へ平らげてしまっている。
まあでも、お茶漬けが美味しい寒さではある。やむなし。
量もちょうどいい。
午後は母に面会すべく病院に行った。
本当にこう……施設と違って、病院の面会は気軽だ。
勿論、マスクや手の消毒はきっちりするが、何しろノーアポでいいのが助かる。
せめて施設がネット予約を導入してくれるといいのだが、毎度電話で、しかも担当部署にいったん電話を繋いでもらって、相手の仕事の手を止めさせて応対を……となるのが、なんとも気ぶっせいなのだ。
あからさまに仕事の邪魔をしていることに気が引けるのもあるが、私がそもそも電話をかけるのが苦手なせいもある。
受けるほうはさほどでもないのだが。
病室に行き、挨拶をして名乗ると、母は「勿論わかってますよ!」と胸を張るのだが、帰るときには「ご親切にありがとうございます」と愛想良く言って頭を下げる。
面会時間は15分が上限で、そんなにしっかりと話し込むことはできない。
とはいえ会話には昔の話などがチラホラ混ざるので、まったくわかっていないわけではないのだろうが、トータルすると、私は「誰か知らんけどとても親切なお人」という立ち位置のようだ。
まあ、好印象で何よりです、とは思う。
昨夏、病院に担ぎ込まれる前の母は、ご飯をよそったり、トマトやほうれん草を切ったりくらいのことはどうにか時間をかければこなせていたのだが、今はもう、自分に毛布を掛け直すことすらおぼつかない。
毛布や布団の位置が気に入らないようで、何度も調整を求められる。
満足いく感じになると、すぐに寝る。
いつもその繰り返しだ。
母に会っているのに、目の前に母がいるのに、母に会いたいなと思ってしまう自分の心がつらい。
本当につらい。
いつになっても慣れない虚無感を抱いて帰宅した。
茫洋とした気持ちでベッドに転がっていると、猫がやってきてそばで寝てくれる。
人でなくても、家族がいるというのはありがたいことだなと感じる。
母にとってのベストな環境をとこの一年あまり奔走してきた。
でもそれは常に、「本当に、これが最良か?」と自分の心に問い続けられる時間でもあった。
ずっと「そう思うよ。他の選択肢はなかった」と答えてきたけれど、最近は「どうなんだろうな」が正直な気持ちだ。
正解なんか、おそらくどこにもない。