
ちょいちょい書くかもしれない日記(気疲れ)
朝から、司法書士さんと母を面会させるべく施設へ。
応接スペースを貸してくださったので、そこでまず仲介業の方と司法書士さん、そして私で書類の確認を済ませ、それから母を連れてきてもらった。
母、初対面のスマートなスーツの殿方ふたりを前に、スッピンを恥じる。
いいぞ、なんか自意識とプライドが戻ってきたな……と思っていたら、突然そっくり返って、「あら、自宅の売却に同意なんかしたかしら。私、条件をまだ交渉していないと思うんだけど」と言い出したので、びびり倒した。
母よ、私を殺す気か。
結局、「私に任せてくれるって言ったのも忘れちゃったの……? ひどいな~。もう実家は危なくて住まれへんって言うたやん」とこんこんと話して何とか宥め、サインはたいへんスムーズにしてもらえた。
どうやら、ごねたのは本心ではなかったらしい。
あとで「ああやって、試しておくのも大事よ」と言っていたので、本人は単純に「一発かましたった」つもりだったようだ。
かまされたのは主に私で、あとの二人は苦笑いしていたのだが。
まあしかし、何を言っても無気力&言いなりであった頃よりは、改善している。ずっと母らしい。
正直ハラハラするし困りもするのだが、嬉しくもある。
とにかく、委任状が無事に出来上がったので、あとは引き渡しが残るのみ。
日程も定まったので、それに合わせて、固定電話と水道、電気の解約手続きをした。
面会のついでに、母の歩行器もケアマネさんと検討した。
3台を比較してみて、ひと目見たときに「エミヤ!」と心の中で言ってしまった、赤と黒のかっこよくて母の体格に合った、取り回しのよい歩行器をチョイスした。
他のものより月額500円高いんですが、と言われたが、その程度なら誤差範囲である。
でもそう答えたら、「この先、どれくらいお使いになるかわかりませんから」とケアマネさんがぽつり。
そうか、それもそうだよね。もし、というかそうなってくれるといいけど、母が長生きしたら、500円差でもチリツモだもんね、と、財布の紐を締め直す。
とはいえ、やはり使い心地のいい歩行器がよかろうと、改めて採用。
しばらくは高くついても、歩行器と車いす、両方レンタルで併用してくださいとお願いした。
少しずつ歩行が安定して、食堂との行き来が歩行器で無理なくできるようになるのを、レンタル車いす返却の目安にしようと取り決める。
一応、母は自分の小型車いすを持っているので、補助として使うならそれで十分だろうとのこと。
今はまだ、歩行器のみでは不安がある。
できるだけ自分の足で歩くことは本当に大事だし、そうすることで、夜の徘徊もやや減ったそうだ。歩き疲れて、眠りが深くなるのだろう。
ケアマネさんにちょっと可愛くないことを言ったあと、すぐに「今、意地悪を言っただけよ。本心じゃないのよ」と白状したりもしているらしく、だんだん頭の回転も戻ってきた感じがする。
元の母に戻れるわけではないとわかっているが、それでも、できるだけ母らしく生きてほしい。
もうすぐ、母が施設に入って1年。
施設での生活を楽しめるところまでいければなあ、と願っている。
そういえば別れ際、母に「もっとちゃんとした服を着てきなさい」と叱られた。
てっきり、ロンTで着たことを咎められ、もっとお洒落できちんとした服を着なさい……という、かつてよく叱られたアレかと思ったら、違った。
もっと暖かい服装で来ないと、心配になる! と言うのだ。
不意打ちで泣かせにかかるのは、本当にやめてほしい。
ダウンジャケットをさっき入った部屋に置いてきただけだよ、大丈夫だよ、と言ったら安心したようだった。
月曜日に予定どおり面会がかなったら、イギリスの友人に貰ったクリスマスセーターを着ていこうと思う。
コットンなので見た目より寒いが、母は安心するだろう。
いいなと思ったら応援しよう!
