見出し画像

未来に残したい風景

未来に残したい風景。
それはズバリ、子供が公園で遊ぶ風景です。

昭和の時代、『子供は風の子』と言われて、
寒い冬でも子供は外で遊ぶのが普通の事でした。
約束などしなくても公園に行けば誰か友達がいて、寒い時は鬼ごっこをしたり、雪が降れば雪合戦や雪だるま作り、また暑い時は水遊びをしたり木陰でおままごとなど、季節毎の遊びがありました。

また、段ボールなどが落ちていると、それを
ジャングルジムに乗せて『秘密基地』を作ったり、雨上がりの日はスコップになりそうなガラクタを拾って、砂場の湿った砂を固めておにぎりや富士山を作って遊びました。
日々、公園には無限に遊びの種が転がっていたのです。

空が暗くなると解散の合図です。
皆はてんでに帰路につきました。

平成の時代になると様子は変化しました。
子供達はまず、電話で遊ぶ約束をして、公園へは親が車で連れて行きます。
自転車で来る子もたまにはいますが、不審者に気をつけなければなりませんでした。

公園での遊びも買ったおもちゃが主流です。
砂場で遊ぶ時はスコップやバケツがセットになったおもちゃで遊びました。
おもちゃを持っていない子はなんとなく気後するような時代になってしまいました。

その後、全国の何処かで事故があるたび
公園からはブランコが、ジャングルジムが、滑り台が撤去されました。
砂場は不衛生だという理由から埋められ、近くの公園には遊具が一つもなくなりました。

元号は令和になり、ここ最近、久しく公園で遊ぶ子供の姿を見ていません。
電話やLINEで遊ぶ約束をした子供達は
誰かの家に集まり遊びます。
しかし集まった友達はそれぞれゲームをしたり漫画本を読んだりして、皆で同じ遊びをする訳ではありません。
送り迎えはもちろん親の仕事です。
『外で遊べ』と言う親もいません。
誰かの家で遊んでくれた方が安心安全だからです。

遊具が何もない、遊ぶ子供が誰もいない
公園を見るたび、なんとも切ない気持ちになるのは私だけでしょうか。

コロナ禍で人と会う事が、まるでいけない事のようになってしまった昨今。
昭和の時代のように、子供達がまた公園で
歓声を上げながら遊ぶ風景が見られる日がやってくるのを、半分諦めながらも願わずにはいられません。






いいなと思ったら応援しよう!