ドロップアウト シリコンバレーを騙した女(ネタバレ注意)
観ました。(ディズニープラス配信) 大変面白かったです!!
レミゼやマンマミーアのアマンダ・サイフリッド主演です。過去のそれらの作品はどちらかというとかわいい娘役。もちろん歳を重ねて変化はしますが、彼女の悪役??はお初でした。
好きな作品「令嬢アンナの真実」(ネトフリ)を思い起こしました。要は、嘘に嘘を重ねまくるとどうなるか、というお話。しかも実話というのが(両作品とも)なかなか面白いんです。サブタイトルの通りベンチャー花盛りの最近の出来事です。
先日iphone16が発表されましたが、アマンダ演じるエリザベスがロールモデルとした人は、あの<スティーブ・ジョブズ>でした。小売のやり方やデザイン性の重視。私もMAC好きなので共感します。それ以上に興味深かったのは、エリザベスがジョブズに触発されたのか、ブラックコーデしか公の場では着なかったこと。(実際は知りませんが) そしてさらに声のトーンを一生懸命低くして、女性らしさを取り除いた話し方をひたすら練習します。
起業において女性かどうかはプラスもマイナスもあるのでしょう。そういうジェンダーを初めから<無きもの>とするのが本当は理想です。
アンナもエリザベスも嘘を重ね、取り返しのつかない域まで来てしまう。共通して言えるのは<頭の良さ>ですが、なぜ知能高い彼女らが引き返せなくなり、そもそも未来の事態を予測できない?? と思うのですが。<頭の良さ>と同等に<高すぎるプライド>があると思うのです。言い換えれば素直さがなく、虚栄心が優ってしまうのでしょう。性格だからなかなか変えられませんよね。
ピアノの生徒を見ていても、うまくいかない時、壁にぶつかった時、必死に私の言葉やアドバイスに耳を傾け、チャレンジし続ける子は、どんどん上達しますが、そんな時途端に怒りに満ちた悔しさ全開が、さらに不機嫌となり顔に出る子。泣く行為もイラついて泣くパターンはダメですね。うまくいかず悲しくて泣く、のはまぁ幼ければ仕方ないけれど。 脱線しましたがそれもまさに<高すぎるプライド>と思っています。
この作品の中でとある男性が、「一言でも懇願してくれたらこんな措置は取らなかった」というようなセリフを言います。要はお金で解決したい気など無く、一言連絡くれたら・・・と。人情で起業も会社経営もできないと言いますが、結局は皆、人間なのですから。
作品を振り返るとヒロインが欠如しているのは「優しさ」である、という伏線が多々あります。「優しさ」の定義を言い出せばキリは無いですが、温かさの有無は、社会生活でかなり大きなポイントなのでは無いでしょうか。
今は泣き、偉大なる<スティーブ・ジョブス>の功績を、関係ないのですけど改めて感じました。人間性にそれなりに問題はあった彼ですが、今もなお若者の憧れとして生き続けています。
エリザベスのその後もネットで知ることができますが、作品のエンディングにあるように、おそらく彼女はさほど良く変わることもないまま、人生を過ごしていそうです(笑)
彼女が果たしてどこで、引き返せばよかったのか、機会があればぜひ観てみてくださいね。