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令嬢アンナの真実

Netflix配信で観ました。

おそらくこの数年で一番面白かった作品。(個人的に)

20代半ばの若き女性が、立場を偽り、ハッタリをかまし、ニューヨークでお金持ちや銀行を相手に、大規模な詐欺をした、という実話をもとにしたお話。

シリーズものなので、完走するのに10日間くらいかかったのですが、早く次を観たい、という思いに駆られたのは、久しぶりのこと。

はまった理由はたくさんあり。実話であるという事前の知識も手伝って、また演出のクールさも。そして犯罪ではあれど、アメリカンドリームに似たワクワク感も体験できます。

アンナは、もちろん犯罪人でありますが、話が進むにつれて、どこか惹き付けられる魅力も感じ、そうだからこそ騙されてしまう人々、がたくさんいたのでしょう。

やり口は犯罪行為だとしても、純粋に大きな野望を持つ一人の女の子なのではないか。そんな彼女の気持ちを汲みたくなる演技であり、演出でありました。

現代のSNS時代だからできたことが、数多くあります。要するにセルフブランディングが今は可能だということ。似たような話は先日もありましたね。海外のインフルエンサーが数々のハイブランド品をSNSにアップしていたけれど実は、偽物だった、とか。

また映画では、自己価値を高めれば、融資を受けられ、それができれば、自分の夢を実現することができる。そんなアンナの計画が軸となります。

そこに行くまで結局動いてくれるのは取り巻く人々です。その人たちを信じさせることができれば、資金を作ることができる。また彼女はそれを自分の私物に使おうとしたかったのではなく、夢の実現に、本気で生かしたかったのではないか、そんな気持ちになります。

もちろん用途は関係ない話で、嘘を重ねたわけですから、詐欺事件として捕まったのですが。

頭脳明晰な少女が、巧みに筋書きを作り、のし上がっていく様子は、人間が単純である、ということも再確認できます。
行動、着ているもの、持っているもの、で引き寄せ効果を最大限にアンナは得たのですから。

9話まで観て、アンナのファンになっている自分がいました。また息子と同世代のアンナ。やはり幼少から抱えた闇がモンスターを生んだ、と思いますのでどこかのきっかけでダークに落ちるのではなく、日のあたる真っ当な道を堂々と歩いて、自己実現する女性になって欲しかった、と少し胸が痛みました。

最終話のエンディングでは、これが彼女の本当の姿なのではないか、と思えて、泣けてくる場面がありました。
また、実在する方々の顔出しもあり、最後の最後まで、エンターテイメントとして最高に面白かった作品です。皆さんにおすすめしたいです。

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