私は、マリア・カラス
観ました。(hulu配信)
カラスの自叙伝的な書物は、読んだことがあります。
この映画は、知っていましたが
自分の心が閉ざされていた期間が長く、マリアカラスは好きで、尊敬していても、その生き様を観る気持ちにはならなかったのです。
息子らが成人し、自力での生活をそれなりに送れるようになり、私自身、生き甲斐とも言えるピアノ指導の職を続けることができ、日々のささやかな楽しみもいくつか見つけ、歌についての向き合い方がようやくわかってきた今、飛び込んできた作品。
huluは最近開けていないサイトでしたが、久々に開くとその姿が目に入ったのです。
観たくない、もっと言えば、聴きたくない、という時期から抜けでたのか、よし、観よう、という気持ちになったのです。
彼女は、人が思うほど気が強い、わがままなディーバではありません。ただ揺れる思いを率直に、誰にでも伝える、素直な女性なのです。
この映画はドキュメンタリーです。過去の名演も多く散りばめられています。
心のままに、一つ一つの音をつないでアリアを完成させる彼女の歌は、改めて素敵だと感じました。
コロナもあり、歌のレッスンはお休みしていますが、再開できるその日まで、カラスのように大事に歌を歌い続けて、練習し続けて、過ごしていこう、と強く思いました。
そう思えたことが何より嬉しかったです。
映画の最後に「享年53歳」と。
今の私の歳です。
カラスが人生にピリオドを打ったその歳を、今私は迎えたのです。今生まれたばかりの子供のように、笑顔で歌に今一度、向き合って行こう。そんなふうに思わせてくれた作品です。