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アンナ・ネトレプコ プレミアムコンサート

3月15日、サントリーホールにて歌声拝聴してまいりました。三つ年下のネトレプコさんですが憧れのソプラノ歌手。今回はご夫婦共演だったようです。(男性アーティストに詳しくない私は演奏会後そうだったのかと・・・)

ホールへ向かう電車内でTwitterを確認しますと、ロシア人歌手、プーチン支持の歌手、と言うキーワードで演奏会や演者を非難するものが複数ありました。確かに初めはプーチン支持ともおっしゃってはいましたが、それを否定するコメントも出たよう。それだけ非難やクレームがあったのでしょう。そんなどんよりした気分で会場へ向かうと、入り口前ではなんと!!!イエロー&ブルーの国旗を手にした団体が、抗議活動をしていたのです。その方々の前を通り、会場へと入りました。

私は、音楽、芸術と政治は無関係である。そういう考え。音楽に罪はない。だから抗議団体の方にも、ロシア人歌手の方にも、何も特別な感情は湧いてきません。ただ平和が戻るのを願うのみです。

そんな開演前の出来事でしたが、演奏会自体は想像をはるかに超える素晴らしさ(と言う言葉は軽すぎますが)でした。ユーシフ・エイヴァゾフ氏のテノールも金管楽器(良い意味で)のようなピーンと響く声です。アンナさんは一つ一つのフレーズ、一音一音全てに情感を乗せて歌われます。
ピアノレッスンで生徒さんには「何も考えずに音を出さないで」「すべての音に何かしらの気持ちを込めて」そう言っているのに、歌も同じであることをすっかり忘れていましたね。特に歌詞があるのですから。そしてボリュームあるドラマティコですが曲中でのピアニッシモが想像以上に多用され、巧みなテクニックに鳥肌でした。

「運命の力」Paceと「トスカ」Vissi d'arte。私にとって音源(教材)でしかなかったネトレプコの歌声が、生で体感できたことは魔法にかかったような幸福感でありました。大好きな「ボエーム」の冷たい手を(テノール)も聴けて嬉しかったです。やはり旋律的にはプッチーニが好きなのです。

アンコールは「忘れな草」「O sole mio」でした。陽気に踊りながら歌うアンナさん。そんなシーンはよく動画で知っていましたが、間近で観ておりますと、歌うって楽しいじゃない?とアンナさんがそう言っているように思えて、そう。楽しいんだよね。と<音楽の原点>に立ち返ることができました。まさに初めて私が音楽というものに触れた幼少期、赤ちゃん期?の記憶が蘇りました。歌って踊って、が好きだった私の<原点>を強く強く思い出し、まだまだ勉強して、まだまだ音楽を追求しよう、そう思わせてくれた演奏会でした。感謝。




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