「青春デンデケデケデケ」名作の舞台・観音寺を歩く
四国の田舎町の高校生がロックに目覚め、苦労の末に自分たちのバンドを結成する。広島県尾道市出身の映画監督・大林宣彦が1992年に発表した「青春デンデケデケデケ」。大林監督は尾道市を舞台にした三部作「転校生」「時をかける少女」「さびんしぼう」で有名だが、私はこの作品こそが大林映画のベスト1だと考えている。穏やかな瀬戸内海に面した香川県観音寺市で繰り広げられる群像劇は、私自身の青春時代とも重なる。愛しい登場人物の足跡をたどるため、人口約5万5000人の町を歩いた。
原作小説を忠