他人と契約を締結するときには、必ず、相手方が制限行為能力者ではないことを確認すること!

制限行為能力者の法律行為は、取り消すことができる場合があります。制限行為能力者とは、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人のことをいいます。制限行為能力者は単独では法律行為をすることはできません。


しかし、制限行為能力者が詐術を用いた場合は、その法律行為を取り消すことはできないとされています。制限行為能力者の詐術とは、制限行為能力者が、自分は制限行為能力者ではないと相手方に信じさせるために行う術策のことをいいます。


ここで、他人と契約を締結するときに、必ず、相手方が制限行為能力者ではないことを確認する習慣を持っていたら、どうなるでしょうか?


もしも、相手方が制限行為能力者ではない場合は、相手方が、自分は制限行為能力者ではないと答えた場合は、締結した契約は法的に有効であり、相手方が制限行為能力者であることを理由にその契約を取り消すことはできません。


もしも、相手方が制限行為能力者ではない場合に、相手方が、自分は制限行為能力者であると答えた場合は、信義則にはもとるものの、当方としては契約を締結しないことになります。


もしも、相手方が制限行為能力者である場合に、相手方が、自分は制限行為能力者ではないと答えた場合は、相手方は制限行為能力者の詐術を用いたことになるため、相手方が制限行為能力者であることを理由に、締結した契約を取り消すことはできないこととなるため、当方に有利となります。


もしも、相手方が制限行為能力者である場合に、相手方が、自分は制限行為能力者であると答えた場合は、当方としては契約を締結しないことになります。


このように、他人と契約を締結する際に、必ず、相手方が制限行為能力者ではないことを確認する習慣を持っていたら、相手方と締結した契約は、相手方が制限行為能力者であることを理由に取り消すことができなくなるため、当方に有利となります。


相手方が制限行為能力者ではないことを確認するための具体的な方法について。契約書に、「私は、制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人又は被補助人)ではありません。」という確認項目を設け、チェックボックス内にレ点を打ってもらうようにすると良いでしょう。


口頭で相手方が制限行為能力者ではないことを確認する方法もありますが、その場合は、予め相手方に会話の内容を録音することをことわったうえで、会話の内容を録音しておく必要があります。こうする理由は、訴訟で使える証拠を取得するためです。


訴訟で証拠を提出することを考えたら、相手方が制限行為能力者ではないことを確認する方法は、文書で確認する方法が、確実であると竹本倫紀は考えます。

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