【小説】竹本倫紀の平和的暮らし【第1話】
竹本倫紀(たけもとみちのり)は平和主義者である。倫紀は常に世界平和の実現について考えている。
倫紀は、どうすれば世界平和が実現するのか、様々に考えてきた。そのうちの1つのアイデアは、全世界の全ての人が平和的に暮らせば、世界平和が実現する、というものであった。
倫紀の考える世界平和とは、全世界の全ての人が平和的に暮らすことであった。であるからして、世界平和が実現した世界では、全世界の全ての人が平和的に暮らしているはずである。
そこで、倫紀は、世界平和を先取りするライフスタイルを考えた。平和的に暮らす。これこそ、世界平和が実現した世界のライフスタイルの先取りなのである。
倫紀は、労働者として働いていた。昼間の仕事に就いていた。
朝、起きる。朝食を食べる。顔を洗ってひげをそる。着替えてかばんを持って出勤する。
駅までの道のりを歩く。駅で電車が来るのを待つ。電車に乗る。目的地の駅に到着する。駅から職場まで歩く。職場に着く。
朝礼に出る。午前の勤務が開始する。お昼になる。昼食を食べる。午後の勤務が開始する。終業になる。
職場から駅まで歩く。駅で電車を待つ。電車に乗る。目的地の駅に到着する。駅から自宅まで歩く。
家に着く。夕食を食べる。食後に読書する。インターネットを見る。風呂に入る。着替えて寝る。
これが、倫紀のライフスタイルであった。家と職場の往復の毎日である。しかし、それは、平和そのものであった。
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