峠 〜 新潟ち住み、働いてわかる奥深さ
#司馬遼太郎 #峠
久々に再読したが、やはり新潟勤務者必読の書。岩手の『壬生義士伝』、新潟の『峠』である。
雪に耐えつつも米と交易に恵まれた風土、海と川と山を持つ地政的特色と各地の気質の違い。謙信の時代はともかく、新潟は古来連邦国家であり、中央からの独立性が高かった。
進取の気質に満ち、大局観を持って江戸から京都、西国を漫遊する河井継之助。豪雪の中、三国峠を越え江戸を目指す気概を持つも、道中各所、その後漫遊する諸国でも遊郭に通う無類の女好き。
官軍が東進する中、高田藩は早々に恭順し、新発田藩は寝返る。 米沢、会津、庄内や仙台と奥羽越列藩同盟を組むが、長岡は中立を志向する。当初会津の説得を頑強に拒むが、最後は八十里越で会津へ逃れ、継之助は只見で没するのである。
要するに、ぐちゃぐちゃなのだ、このエリアは。複雑で多様な、まさに現代社会たる「地域」、新潟。 愛すべきこの地への愛に満ちた本書、しつこいが、必読。
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