試し読み7『悪い仲間 -Mala Junta-』
「そうそう、フェデリコだがな、昨日来た時に話してくれたが、奴もついに〈エスパダ〉を抜けるってよ」
恋人が、自分の友人たちとの話に夢中になっているのを見計らい、マルコスは言った。
「いくら我慢強いあいつでも、ついに辛抱できなくなったそうだ。ほら、先週、旧市街の娼館で騒ぎがあったろ」
その話なら小耳に挟んでいた。何でも、酔客が娼婦に絡み、口論の果てに女の頬を張って髪をひっ掴み、泣いて許しを請うたにも関わらず、壁に繰り返し顔面を打ちつけて大怪我を負わせたと。
「そのたちの悪い酔