(中1数学)文字式の計算 〜3x−xが3にならないのはなぜか?〜
塾屋を長年していますが、数学が「すごく苦手」だという子に毎年出会います。たいていが基本の基本の部分でつまづいています。
3x−xを3とする子に対して「xには係数の1が省略されていて、同類項をまとめなければいけないから、同じ文字の係数同士を計算しなくてはいけないよ。だから、3x−x=(3ー1)x=2xとなるよ」という指導がスタンダードでしょう。
だけど、本当に苦手な子はそのようなルールを一度覚えて類題を「その解き方」にしたがって解いても、時間が経てばまた元の木阿弥、同じようなミスを重ねてしまい、指導者が若干いらだちながら「前もこのことは教えたよね。真剣に人の話は聞かなくっちゃ。ちゃんと解き方を覚えてね」のことばに「俺(私)は数学、だめ。ぜんぜんできるようになりそうにない」と強固な数学コンプレックスが形成され、「数学苦手地獄」から這い上がれないままその後の数学人生を過ごすという人は実際たくさんいることだろうと予想されます。
3x−xを3と思ってしまった子に対して「同類項をまとめる」というような話をしても、そもそもなぜ「同類項をまとめてもいいのか」納得していないから、少しの間はできるようになっても結局はまた解けなくなってしまいます。「いやあ、何度も何度も練習させれば、いつかは解けるようになるよ」という声も聞こえてきそうですが、結局は「根本の根本を理解していない」のだから、もし仮に計算問題を解けるようになったとしても、その後応用が効かないことはかんたんに予想されます。
「解ける」の前に「理解する」ことが大切なのです。
ということで、そのような中1数学の1学期に習う最初のつまづきのせいで数学が苦手になってしまった子どもたちに対して動画を作ってみました。おそらく多くの方にとって興味のそそられないタイトルかもしれませんが、つまづいている子にとっては必要な知識だと思います。
なるべくたくさんの全国の数学苦手少年・少女に届くといいのですが・・・