元気なモト
わたしの施設では
ある事件をきっかけに
お風呂は基本
男性利用者様は男性スタッフが
女性利用者様は女性スタッフが
入れるようになった。
それ以前はわたしも
男性利用者様も入れていた。
ここ最近は男性スタッフが減り
セクハラ行為のない、去年100歳になった
おじいちゃんはわたしもできるときは
お風呂のお世話をしている。
この100歳のおじいちゃんは
お風呂が大好きで、
そろそろ上がりましょうと言っても
いつも、もうちょっと、と頼んでくる。
わたしはいつもおじいちゃんに
少し長めに入っていただく。
お風呂に入るととにかく幸せそうだから。
先日、100歳のおじいちゃんのお風呂のとき
入る前の血圧測定をしてると
彼が今日は息子さんが訪ねてくると言うので
施設長に息子さんが来るようですが
今彼がお風呂に入っても
大丈夫ですか?と尋ねたところ
入ってもらって、ということで
おじいちゃんと一緒にお風呂場へ。
髪と身体を洗い
浴槽に足を入れようとしたとき
浴室にノックがあり
施設長がのぞきこんだ。
あ、入るとこか、と。
どうやら息子さんがいらしたみたいなのだ。
なので、ちょっとお湯に浸かったら
耳の遠いおじいちゃんに
大きな声で、息子さんが訪ねてきたので
もう出ましょうかと言うと、
彼はいつもみたいに
もうちょっと、と言わずに
さっさとお風呂から出たのだ。
急いで身体を拭き
服を着てもらい
皆がいるフロアに行くと
もう既に息子さんは帰ってしまってた。
また来週も来るから楽しみにしましょう
とおじいちゃんに伝えた。
毎週息子さんは来られるので
息子さんが来られる曜日はおじいちゃんの
お風呂日にしないようにしましょうよと
施設長にお話をする。
あんなにお風呂好きなおじいちゃんだが
お風呂以上に好きなのが
息子さんと会うことだ。
家族と一緒に過ごせる幸せな時間、
大事にしたい。
やっぱり家族は1番の元気なモトだから。