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周りの人、みな全てが哲学者だと気づく時

『この図書館に読みたい本が一冊もないなんてこと、ありえません。

ただあなたがそういう本に、まだ出会っていないだけなのです。』



娘が通っている公立中学校で、離任式が行われた。


その時に、国語の先生が言った言葉だそうだ。



その先生は、臨時採用職員として娘の中学校へやってきた。

校長先生の知り合いだそうで、隣町に母親と住んでいるらしい。そういうことも、どうやら包み隠さず授業中に話しているようだ。


娘はその先生のことを嫌っていた。

タバコ臭くて最低、と言う。昨日食べたカツ丼の話など、娘に言わせるといわゆる無駄話、が多いらしい。

嫌だ嫌だと1年間授業を受け続け、いざ、去っていくときに全校生徒の前で先生が言ったその言葉を、夕飯を食べながらふと思い出したのだろう。


私はかなり感動しつつ、それが伝わらないように平静を保ちながら(しかし、私が感動していたことは間違いなく完全に娘に伝わっていただろう...)

「で、それを聞いてどう思ったの?」と尋ねる。

「そうだよね、って思った。」


私は魂の世界に興味があり、哲学的なこと、宇宙の仕組みなどについて、本や記事を読んだり動画を見ることが好きだ。

でも、そんなことをして学んで理解せずとも、既にみな、一人一人が哲学者なんだと感じることが多々ある。

今回の出来事も、その例の一つだ。

人にはそれぞれ、暮らしがあるのだ。人それぞれ、それぞれの人生を生きているのだ。人、ひとりひとりが皆、生まれ持っての哲学者なのだ。そんな魂を宿しているのだ。


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